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2019年のAIG全英女子オープンで優勝し、日本人女子として42年ぶりとなる海外メジャー制覇を果たした渋野日向子プロ。プレー中にお菓子をほおばり、カメラに向かって笑顔を見せるといった愛嬌たっぷりのキャラクターで「シブコフィーバー」を巻き起こしました。実はこの快挙を達成する以前から、渋野プロはアマチュアとして数々の好成績を残しています。そんな渋野プロのこれまでの戦績や、現在使用している最新のクラブセッティングなど、気になる情報をまとめてみましたのでぜひご覧ください。
渋野日向子プロってどんな人?プロフィールを紹介
家はスポーツ一家!小学生時代はソフトボール投手で活躍
父は砲丸投げ・円盤投げの元選手、母はやり投げの元選手というアスリート家庭に生まれた渋野プロは、小学三年生の時にゴルフとソフトボールを始めました。ソフトボールでは投手としてチームの主軸を担い、ゴルフでも岡山県ジュニアゴルフ選手権競技(小学生・女子の部・高学年)で3位入賞という好成績を残しています。先生の勧めもあって、中学ではゴルフ一本に専念すると、同選手権の中学女子の部で3連覇を達成。ゴルフの名門校・岡山県作陽高校進学後は、中国女子アマチュア選手権優勝、全国高等学校ゴルフ選手権大会団体戦優勝と、さらに実力を伸ばしていきました。
日本人女子として42年ぶりの海外メジャー制覇
LPGA90期生としてプロ入りした翌年5月、ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップに出場し、国内公式戦でいきなりツアー初優勝を飾ります。その勢いのまま6月時点の賞金ランキングで3位につけると、8月に開催されるAIG全英女子オープンの出場権を獲得。初の海外試合、初のメジャー参戦となったこの大会で、日本人女子として42年ぶりとなる海外メジャー制覇を達成しました。2019年シーズンはその後もデサントレディース東海クラシック、大王製紙エリエールレディスオープンでも優勝し、ルーキーイヤーにして賞金ランキング2位という大活躍の年となりました。
2020年は試練の年に
2020年前半はコロナ禍で国内外の大会は中止になり、東京五輪も1年延期が決定。自粛期間中はスイング改造などに励むも、6月下旬の国内ツアー初戦では予選落ちといきなりつまずいてしまいます。ディフェンディングチャンピオンとして迎えた8月の全英女子オープンでは初挑戦となる本場のリンクスコースに大苦戦。ショットを修正して挑んだメジャー2大会を含む米国での4試合では、なんとか決勝ラウンドに進んだものの優勝争いには程遠く、復調のきっかけとなったのは、右足裏に痛みを抱えながら挑んだ11月の伊藤園レディースでした。その後の大会では徐々に順位を上げて調子を取り戻し、2020年12月最後の試合となった全米女子オープンでは最終日単独首位に立ったものの、スコアが崩れて4位惜敗という結果でした。
2021年の成績は?
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2021年に入ると大幅なスイング改造に取り組みましたが、最初はドライバーやアイアンの飛距離が出ずに苦しんでいたといいます。試合を通じて作り上げていった新しいスイングは、やがてドライバーの飛距離が伸びるように。アイアンのスピン量も確保されてグリーンで止められるようになりました。10月のスタンレーレディスでは1年11ヶ月ぶりの優勝、3週間後に開催された樋口久子 三菱電機レディスでは国内ツアー6勝目を飾りました。
米ツアー出場権を獲得
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2021年12月、LPGAツアーの出場権をかけてQシリーズ(最終予選会)に参戦。8日間144ホールにわたる戦いは7日目に「79」と崩れて29位タイまで後退しました。不本意なゴルフに会見も拒否したそうです。最終日は勝負強さを見せ、通算10アンダー。目標としていた20位タイに入って2022年シーズンの出場権を獲得しました。AIG全英女子オープン優勝時の特権を行使せずに自力で出場権を獲得したことで、海外メディアは「スマイリングシンデレラがやり遂げた」「ニュースター誕生の予感」と報じました。海外でも渋野プロへの注目度や期待度は抜群ですね。
渋野日向子プロの人柄や好きなものは?
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渋野プロの魅力といえばやはり、ラウンド中も絶えないその笑顔。全英女子オープン優勝の時につけられた「スマイルシンデレラ」というあだ名は、2019年の流行語対象にもノミネートされています。「プロゴルファーは見せる競技なので、ギャラリーに楽しんでもらうために自分が常に笑顔でいることが大事」という考えから、常に笑顔を心掛けているそうです。そんな渋野日向子プロの趣味はなんと「ポケモン」。大活躍の年となった2019年のオフには、「とりあえずポケモンを全クリ(全部クリア)したい。そこに12月は集中したい。」と話しています。トップアスリートらしからぬ、こういった庶民的なところも彼女の人気の理由かもしれませんね。
渋野日向子プロのクラブセッティング(2022年3月時点)
※プロはセッティングを頻繁に調整するため、実際に使用するクラブは異なる場合があります。
PINGとクラブ契約を結ぶ渋野プロのクラブは、ドライバーからパターまで14本全てPINGで統一されています。もともとはパターを中心に展開していたPINGですが、今やドライバーやアイアンにおいても世界中で高いツアー使用率を誇る人気ブランドとなっています。渋野プロがどのクラブを使うのか、PINGから発売されるニューモデルには常に注目が集まります。そんな渋野プロが選んだ、最新のクラブセッティングを見ていきましょう。
ドライバー:G410 プラス ドライバー(9度) スピーダー NX(硬さS、44.75インチ)
G410シリーズのドライバーにはG410 PLUS、G410 SFT、G410 LSTの3種類があり、渋野プロが使用するG410 PLUSはウェイトポジションの調整ができる高弾道モデルとなっています。低スピンのSFTやつかまりやすいLSTに比べ、ドローヒッターである渋野プロにとって左へのミスを低減してくれるG410 PLUSは最適なドライバーです。
フェアウェイウッド&ハイブリッド:G425 MAX フェアウェイウッド(3番15度)
3番ウッドにはG410シリーズよりひとつ新しいG425シリーズを使用しています。G425 MAXの特徴は、ソール後方に配置された高比重ウェイトにより重心位置が深く低く設計されています。優勝した樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメントでは最終日のプレーオフ1ホール目、ピンまで残り220ヤードという場面で3番ウッドをチョイス。しっかり振り抜いてボールはピンまで3メートル、イーグル&勝利に貢献したクラブとして記憶にも残る1本です。
G425 MAX フェアウェイウッド(7番20.5度)
7番ウッドも同じくG425 MAXを使用しています。以前は5番ウッドを使っていましたが、5番ウッドと飛距離が変わらず、高く上がって海外の硬いグリーンでも止まりやすいという理由から7番ウッドを使っているそうです。
G425 ハイブリッド(5番26度、6番30度)
ロングアイアンは使わずに、よりボールを止めやすいハイブリッドを2本入れています。G425ハイブリッドもフェアウェイウッドと同様に深低重心設計でボールを上げやすく、距離の長いミドルホールでも高い弾道でピンをデッドに攻めていくことができます。どんなホールでも果敢にバーディーを狙っていく、渋野プロのプレースタイルを支える2本です。
アイアン:i210 アイアン(6番~9番)
PINGから発売されているアイアンシリーズの中でも特に人気のあるi200アイアン。柔らかい打感と高い操作性を兼ね備えた上級者向けモデルで、鈴木愛プロや比嘉真美子プロなど多くのトッププレーヤーが愛用しています。最近のアイアンは飛距離を出すためにロフトを立てたストロングロフトタイプが多い中で、このi200アイアンは従来通りの標準的なロフトを採用しています。ツアーで勝つために、飛距離よりもグリーンでの止まりやすさを重視していることがわかりますね。
ウェッジ:グライド 3.0 ウェッジ SS(46度、52度、54度、58度)
3種類のソール幅から選べるグライド3.0シリーズの中で、標準的なソール幅のSSタイプを使用しています。ロフトはベーシックな46度、52度、54度、58度を採用。フェースを開いたり閉じたりといった小細工をせず、適度にバウンスを使ってアプローチをする渋野選手に合ったウェッジといえるでしょう。
パター:シグマ2 アンサー パター
PINGの人気パターと言えばシグマシリーズとヴォルトシリーズ。「やわらかい打感が好き」という渋野選手が選んだのは、より打感と打音を重視して設計されたシグマ2アンサーパターです。シグマ2で初めて採用されたフェース面の二重インサートによって、やわらかいのにしっかりとした打音が残るのが特徴。耳と指先への心地よいフィードバックが、ロングパットでの抜群の距離感を生み出します。
ボール:タイトリスト プロV1x
タイトリストのプロV1xは同じシリーズのプロV1に比べて少し硬めで高弾道な点が特徴です。世界のあらゆる男子ツアーでのボール使用率No.1を誇るプロV1、プロV1xは、主に男子ゴルファー向けのややハードなボール。このような手ごたえのあるボールを好むのは、女子の中でも特にヘッドスピードの速い渋野プロならではですね。
渋野日向子プロの近況
2試合連続のトップ5入りを果たす
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2022年は米ツアーメンバーとしてHSBC女子世界選手権からスタート。4月のロッテ選手権では2位に入り、4位だったメジャー初戦のシェブロン選手権に続く2試合連続のトップ5入りを果たしました。慣れない環境や世界トップクラスのプロが集まるツアーでストレスもかかりそうですが、持ち前の明るさやチームスタッフの支えもあって楽しめているようです。米ツアー参戦で一番の不安は英語だと明かしていて、英語より韓国語のほうが向上しているとのこと。今後も渋野プロの活躍から目が離せませんね。
アディダスゴルフとフットウェア契約締結
渋野日向子プロのまとめ
渋野プロの生い立ちから現在に至るまでの成績、使用しているクラブセッティングなどを詳しく紹介しました。昨年11月「大王製紙エリエールレディス」以来、179日ぶりの国内ツアーとなった2022年 ブリヂストンレディスオープンは、平日にもかかわらず3251人のギャラリーが駆けつけました。苦しい展開から抜け出すことができず、通算3オーバーの69位でカットラインに1打及ばず予選落ちしました。次戦は海外メジャーの全米女子オープンを予定。記者会見の最後に「出直し!」と言い残して練習場に向かったそうです。久しぶりの国内ツアーで味わった悔しさを糧に、大舞台で活躍することを期待したいですね。