パターはゴルフのラウンド中ほぼ全てのホールで使用する重要なクラブです。今回ご紹介するのは、渋野日向子プロ、鈴木愛プロといったパターの名手が揃って愛用するピン(PING)のパター。ピンパターの特徴や魅力、そしておすすめ機種を丁寧に解説します。ピンは多種多様の優れたパターが豊富に揃っていますので、こちらの記事を参考に、ご自分に合ったパターを見つけてみてくださいね。
ピンはどんなブランド?
ピンは1959年にエンジニアであった創業者カーステン・ソルハイムが、自宅ガレージで自身のパター向上のため自らパターを作り始めたことからスタートしました。ピンという社名は最初に開発された「1-A」の打音「ピーン」が由来となっています。そして1966年にピンの定番モデル「ANSER」が発売され、空前のベストセラーとなりました。現在ではパター以外でも、ドライバーやアイアンが幅広いゴルファーから高い評価を受けています。契約プロは国内では渋野日向子プロや鈴木愛プロ、また海外ではバッバ・ワトソンプロなど、世界中のトッププロがピンのクラブを使用し活躍しています。ピンは創業以来、プロアマ問わず世界中のゴルファーに愛され、今もゴルフの楽しさを提供し続けています。
ピンパターの特徴は?
ピンパターは種類が非常に豊富で、そのどれもが打感が良く操作性に優れ、ゴルファーに安心感を与えてくれるのが特徴です。現在のピン型パターという名称は、ヘッドのヒール側とトゥ側に重量配分したヒール・トゥ・バランス設計で作られたピンの「ANSER」モデルが由来となっています。現行モデルはそのピン型をはじめ、マレット型、ネオマレット型まで様々な形状が豊富にラインナップされており、最近では女性用のパターも複数発売されるようになりました。
ピンパターの現行モデルは「Heppler(ヘプラー)パター」と「Sigma2(シグマ2)パター」を中心に、女性向けの「G Le2パター」、そしてよりカスタムに近い最高品質の削り出しパター「PING VAULT 2.0」シリーズ。それぞれパターグリップの種類も豊富に選ぶことができます。
さらに、プロからアマチュアまで、全てのゴルファーにベストなクラブを導き出すカスタムフィッティングが提供されています。スマホアプリ「iPING」ではパターのフィッティングが自分で簡単にでき、ストロークタイプやストロークテンポなどの計測が可能となっています。自分のパッティングを客観的に分析できるので、一度試してみるとよいでしょう。
ピンパターのこだわりポイント
ポイント1 打感
ピンパターは打感に優れています。現行モデルにはヘッドのフェース面に硬質素材やTR溝といった最新のテクノロジーが搭載され、弾きの良い打感で直進性の高いパッティングを可能にしています。PINGパター史上、最も柔らかな打感でしっかりつかまる「シグマ2」をはじめ、ブラックとブラウンのツートーンカラーで統一されたソリッドな打感が特徴的な「ヘプラー」シリーズも人気があります。打音も安心感を与えてくれるので、自信を持ってパッティングすることができます。
ポイント2 ヘッド形状
ピンパターは「Heppler(ヘプラー)パター」は10種類、「Sigma2パター」はプラチナム仕上げが5種類、ステルス仕上げが7種類、合計11種類をラインナップ。そのため、ひとりひとりのゴルファーに適したヘッド形状を選ぶことができます。ヘッド形状に合わせて複数のアライメントデザインが施されており、構えやすさと方向性に優れたパターが揃っています。女性におすすめの「G Le2パター」もヘッドは3種類あるので、フィッティングして打ちやすいパターを探してみるとよいでしょう。
ポイント3 シャフト
現行モデルの「へプラー」「シグマ2」は標準シャフトは34インチですが、別仕様で長さ調整機能付きのシャフトがラインナップされています。32〜36インチの範囲で調整が可能で、グリップの上部に専用ツールを挿し込んでそれを回すことで簡単にパターの長さを調節できる仕様となっています。また、「G Le2パター」のシャフトも長さ調整機能付きのものが標準使用で、 31~35インチの調整幅です。
ピンパターの選び方
1.ヘッドの形状で選ぶ
ヘッドの形状は大きく分けて3つのタイプに分けられます。
ピン型
ピン型は面長の形状で、ヒール側とトゥ側に重量配分されているタイプのヘッドです。ストロークの動きにヘッドが自然とついてくるので操作性が良く、ボールに対して直角に構えやすいのが特徴です。構えた時に違和感がある場合は、ターゲット方向にきちんと構えられているかもう一度チェックしてみましょう。フェースの開閉を上手く使いながら方向と距離感を合わせたい方におすすめです。
マレット型
マレット型は形が似ていることから「かまぼこ型」とも呼ばれています。後方が丸みを帯びて膨らんでいる形状のパターです。重心深度が深く、重心位置が後方にあるのでヘッドがブレにくくストロークがしやすくなります。フェースの開閉をあまり使わずに、ヘッドをストレートに動かしたい方におすすめです。
ネオマレット型
ネオマレット型はマレット型と同じ特徴がありながら、よりヘッドが大きくなっているタイプです。ヘッドが大きい分ミスヒットが少なく、方向をイメージしやすいのが特徴です。ただし、フェースの開閉といった操作性には欠けてしまいます。ヘッドが大型でブレが少なく、ショートパットが苦手な方に向いています。
2.ネックの形状で選ぶ
ネック形状の違いによってパターの構えやすさ、打ちやすさが変わります。パターを選ぶ時はネック形状にも注目しましょう。自分のパターの癖に合わせることもポイントです。
クランクネック
クランクネックはカギ型とも呼ばれ、最もスタンダードなネック形状です。シャフトがフェース面の内側にきているのでボールのつかまりが良く、インパクトでボールが当たるタイミングが少し遅れるため右に押し出すミスを軽減してくれます。スタンダードなタイプなので多くのゴルファーが愛用しており、まずはクランクネックから試してみるのがおすすめです。
ベントネック
ベントネックはシャフトが折り曲げられているタイプのネック形状です。重心距離が短く、ボールがつかまりやすいので、右側にプッシュしてしまうミスが少なくなります。オートマチックにパッティングがしやすく、特にショートパットが苦手という方に向いているネック形状です。
センターネック
センターネックはヘッド中央にシャフトが取り付けられたタイプです。シャフトの延長線上にスイートスポットがあり、そこに当てる技術があれば直進性に優れ、狙った場所に打つことが容易になります。しかし打点がバラつくとミスショットの確率が高まるので寛容性は低く、ある程度技術を要するタイプのネックと言えるでしょう。
3.長さで選ぶ
長さもパターを選ぶ際の重要な要素です。長さ選びのポイントは、自分の構えやストロークによって決めるのが一般的で、ボールに対して自然に構えた時にボールの位置が目の真下にくるものが長さの目安となります。一般的な男性のパターの長さは33〜35インチで、統計的には34インチを使っているゴルファーが多く、女性の場合は32インチがスタンダードとされています。パターの長さは距離感にも大きな影響を与えますので、自分に合った長さを選びましょう。
ピンパターのおすすめ機種7選
ピンパターのおすすめ機種について紹介します。
SIGMA2 ANSER
PINGオリジナルの定番モデル 操作性抜群のピン型パター
渋野日向子選手使用モデルのSIGMA2 ANSER。ヘッドはピン型タイプで、ヒール側とトゥ側に重量配分したヒール・トゥ・バランス設計で作られています。そのためヘッドの開閉がしやすく、操作性の良さが特徴です。ネックはクランクネック、仕上げはプラチナムとステルスが選べる仕様。フェース面がソフトPEBAXとハードPEBAXの二重構造となっており、ショートパットではソフトな打感で繊細にカップが狙え、ロングパットでは打音のフィードバックで抜群の距離感を生み出します。シャフトは長さ調整機能が搭載。シンプルなデザインでどのレベルのゴルファーにもおすすめできるスタンダードなモデルのパターです。
SIGMA2 ANSERの口コミ
こんな人におすすめ!
ソフトな打感とロングパットで安定した距離感を求めるゴルファー向け
SIGMA2 ANSERの仕様・製品情報
ヘッド素材 | ボディ:17-4ステンレススチール インサート:ペバックス(エラストマー)CTP |
タイプ | ピン型 |
ヘッド重量 | 350g |
長さ | 32〜36インチ (長さ調整機能付き) |
仕上げ | プラチナム・ステルス仕上げ |
ライ角 | 70° |
ロフト角 | 3° |
SIGMA2 TYNE4
ヒールシャフトで独創的なヘッド形状のネオマレット型パター
SIGMA2シリーズのネオマレット型パター、SIGMA2 TYNE4。ヘッドは重量が370gとやや重めの仕様で、フェースバランス設計のためフェースの開閉を使わずに真っ直ぐ打ち出すストロークタイプの方に向いています。また、個性的な2本のフィンがアライメント効果を増加させ、特にショートパットでより安定感が実感できます。短い距離のパットが苦手な方や、ヒールシャフトでストロークのローテーションが大きなゴルファーにも最適の1本です。
SIGMA2 TNYE4の口コミ
こんな人におすすめ!
フェースの開閉を抑えてパットに直進性を求めるゴルファー向け
SIGMA2 TNYE4の仕様・製品情報
ヘッド素材 | ボディ:17-4ステンレススチール インサート:ペバックス(エラストマー)CTP |
タイプ | ネオマレット型 |
ヘッド重量 | 370g |
長さ | 32〜36インチ (長さ調整機能付き) |
仕上げ | プラチナム仕上げ |
ライ角 | 70° |
ロフト角 | 3° |
SIGMA2 FETCH
”]丸穴形状のヘッドデザインが特徴的なマレット型パター
SIGMA2シリーズのマレット型パター、SIGMA2 FETCH。ヘッドの中央に丸い大きな穴がデザインされた特徴的なパターです。ヘッドの外周部分に重量が配置され高い慣性モーメントを生み出しています。SIGMA2シリーズのフェース面は、中心部が最も深く、上下左右の周辺部分を浅くしたTR溝設計です。これによりスイートスポットを外してもボールの転がりが安定し、寛容性の高いパターに仕上がっています。フェースローテーションの少ない押し出すストロークの傾向が強いゴルファーにおすすめです。
SIGMA2 FETCHの口コミ
こんな人におすすめ!
フェースローテションの少ない安定したパッティングを求めるゴルファー向け
SIGMA2 FETCHの仕様・製品情報
ヘッド素材 | ボディ:17-4ステンレススチール インサート:ペバックス(エラストマー)CTP |
タイプ | マレット型 |
ヘッド重量 | 365g |
長さ | 32〜36インチ (長さ調整機能付き) |
仕上げ | プラチナム仕上げ |
ライ角 | 70° |
ロフト角 | 3° |
HEPPLER TOMCAT 14
HEPPLERシリーズ最大の慣性モーメントを誇るネオマレット型パター
HEPPLERシリーズのネオマレット型パター、HEPPLER TOMCAT 14。複合素材のヘッドを採用し、重心位置の最適化によりHEPPLERシリーズ最大の慣性モーメントを実現しています。ヘッドはフェースバランス設計で、ストロークがストレートタイプの方向きです。14個のサイドドットのコントラストデザインで抜群のアライメント効果を発揮。また、HEPPLERシリーズもSIGMA2シリーズ同様に長さ調整機能付きのシャフトもラインナップされています。ブレの少ないヘッドと新素材のフェースデザインによるソリッドな打感で、弾き感を求めるゴルファーにおすすめの1本です。
HEPPLER TOMCAT 14の口コミ
こんな人におすすめ!
ソリッドな打感と方向性のイメージが出しやすいパターを求めるゴルファー向け
HEPPLER TOMCAT 14の仕様・製品情報
ヘッド素材 | ブラック部分:ADC12アルミニウム/カッパー部分:304ステンレススチール |
タイプ | ネオマレット型 |
ヘッド重量 | 370g |
長さ | 32〜36インチ (長さ調整機能付き) |
仕上げ | – |
ライ角 | 70° |
ロフト角 | 3° |
HEPPLER FLOKI
ネオマレット型 PING HEPPLER PUTTER”]寛容性の高いマレット型パター
HEPPLERシリーズのマレット型パター、HEPPLER FLOKI。カッパー色とブラック色のコントラストによる視覚的効果の高いヘッドデザインに加えて、ヘッドに1本の長いサイトラインが特徴のパターです。これにより方向性も出しやすく、狙ったラインに乗せやすい寛容性の高い1本です。シャフトは光の反射を抑えるブラッククロームシャフトが採用され、構えやすさを追求したモデルになっています。新たな打感で転がりの良さが増し、あらゆるゴルファーにおすすめのパターです。
こんな人におすすめ!
パットに弾く感覚を求めるゴルファー向け
HEPPLER FLOKIの仕様・製品情報
ヘッド素材 | ブラック部分:ADC12アルミニウム/カッパー部分:304ステンレススチール |
タイプ | マレット型 |
ヘッド重量 | 365g |
長さ | 32〜36インチ (長さ調整機能付き) |
仕上げ | – |
ライ角 | 70° |
ロフト角 | 3° |
VAULT 2.0 DALE ANSER
最高品質の削り出しで造られたソフトな打感のピン型パター
VAULT 2.0シリーズのピン型パター、VAULT 2.0 DALE ANSER。最高品質の完全削り出しによって造られたヘッドは、ソフトな打感で狙ったラインにしっかりと乗り、安定したパットが可能となります。ヒールトゥバランス設計なので操作性も抜群。また、ヘッドは3つの重量から自由に選択することが可能になっており、最適なヘッド重量を使用することでストロークがより安定し、再現性も高まって最高の結果が実現できます。ややイン・サイド・インの軌道でフェースの開閉を上手く使いながら、ソフトな打感と安定した距離感を求めるゴルファーにおすすめの1本です。
VAULT 2.0 DALE ANSERの口コミ
こんな人におすすめ!
ソフトで繊細な打感と抜群の距離感を求めるゴルファー向け
VAULT 2.0 DALE ANSERの仕様・製品情報
ヘッド素材 | 303ステンレススチール |
タイプ | ピン型 |
ヘッド重量 | 335,350,365g |
長さ | 32,33,34,35インチ |
仕上げ | プラチナム、ステルス、カッパー仕上げ |
ライ角 | 70° |
ロフト角 | 3° |
GLe ECHO
ソフトな打感で距離感抜群の大型マレット型パター
GLe ECHOはレディース用に開発されたGLe2シリーズの大型マレット型パターです。柔らかな打感を生み出す二重構造のインサートによって距離感が安定します。SIGMA2シリーズにも採用されているTR溝により、ミスした際にも転がりが良く、寛容性の高いパターに仕上がっています。また、自分の好みの長さにシャフトが調整できるので、より安定したストロークを可能にします。デザイン性も高く、引っ掛けや距離感がなかなか合わないパターが苦手な女性にもおすすめの1本です。
こんな人におすすめ!
パターが苦手な女性ゴルファー向け
GLe ECHOの仕様・製品情報
ヘッド素材 | 6061アルミニウム/ソールウェイト:17-4ステンレススチール/インサート:ペバックス(エラストマー) |
タイプ | ネオマレット型 |
ヘッド重量 | 360g |
長さ | 32インチ |
仕上げ | アルマイト仕上げ |
ライ角 | 70° |
ロフト角 | 3° |
まとめ
今回はピンパターの特徴とおすすめの機種7モデルを紹介しました。パターはヘッドの形状やフェースの素材、そして長さによって打感や距離感の出しやすさが変わります。しかしそれらは個々の感覚的な要素が大きく、自分に合ったパターを見つけるのが難しいのも事実です。ピンパターは多種多様なタイプがラインナップされています。スコアアップに直結するクラブですので、実際に多くの種類を打ち比べ、自分の体格とフィーリングに合ったパターを見つけてください。