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ゴルファーなら誰もが今よりも飛距離を伸ばしたいと思っているはずです。飛ばしと言っても身長、体重、筋力、可動域、スイングタイプによって様々です。わかってはいても時間がとれなかったり、怪我が怖くて体を鍛えるのはちょっと無理と言う人も多いですよね。今回はティーチングプロの筆者が、プロのように筋力や可動域が少なくても飛ばせるようにシャフトのしなりを使った飛距離アップをお伝えします。この記事を読めば今よりも飛距離が伸びるはずですよ。
昔よりも今の方が飛距離が出る理由は?
昔のプロよりも今のプロの方がドライバーとアイアン両方の飛距離が出ています。アイアンは昔のクラブに比べてロフトが立っているのでわかりますが、ドライバーはロフトの差はほとんどありません。それでは昔より飛ぶ理由は何なのでしょうか?飛ばす為の要素は色々ありますが、大きく分けると体の要素と道具の要素に分けることができます。
1.体の要素
体の要素とは身長、体重、筋力、柔軟性、スイングなどです。プロゴルファーであれば飛距離アップしたいと思うのは今も昔も同じです。最近はほとんどのプロゴルファーがジムなどで筋トレをして飛距離アップを狙っていますが、それは昔のプロよりも筋トレをするプロが増えたと言うだけです。昔のプロでも筋トレをしているプロは数多くいましたので、昔よりも今のプロの方が飛距離が伸びている理由にはなりません。他の飛ばしの要素としてはスイングがあげられます。ビデオやコンピュータを使うことで正しい動きが分かり飛距離が伸びているのは間違いありません。
2.道具の要素
しかし、1番の違いは道具です。パーシモン時代と比べると格段に飛ぶようになっているのはもちろんのこと、見た目にはほとんど同じような10年前のクラブと比べても最近のクラブは良くなっています。いわゆる「飛ばしの3要素」として、初速、スピン量、打ち出し角がありますが、そのどの要素にも関係してくるのがシャフトです。しなりが使えるようになると、たとえ筋力がプロのようになくても今以上に飛ばすことが可能です。軽く振っているのに凄く飛んでいる人を見たことがあると思います。シャフトのしなりが使えるようになると軽く振っても飛距離が出せるようになるのです。
シャフトのしなりが使えるとは
それではシャフトのしなりが使えるとはどのようなことを言うのでしょうか?答えは簡単です。インパクトでシャフトがCの字にしなっているかどうかです。いわゆる逆Cと言われる動きです。プロのインパクトを見てもらえればわかりますが、インパクトでシャフトがしなってCの字になっています。このような形ができていればシャフトがしなってインパクトできていると言えるでしょう。
シャフトのしなりが使えないスイング
逆にシャフトのしなりが使えないスイングとはどの様なスイングでしょうか?シャフトのしなりを使えないと言うことはシャフトが棒のような感じでしなっていないか、しなるポイントがずれているスイングです。具体例を3つ紹介します。
1.腕の力で振っている
しなりをうまく使えてない人は大抵力みすぎています。腕の力で振ろうとしすぎてシャフトがしなりません。腕に力が入ると筋肉が硬くなり思うようにスピードが出ないのです。
2.軸がずれている
軸がずれる人もシャフトのしなりを使いにくいと言えます。バックスイングで右に動きダウンスイングで左に動くことが体重移動だと思っている人が多いです。確かに重心はバックスイングで右に動きダウンスイングで左に動きますが、頭1つ以上動いているのなら動きすぎています。動きすぎると軸がずれてスピードもミート率も悪くなります。特にインパクトで頭が目標方向に動くと、シャフトが戻り切る前にインパクトを迎えてしまいます。このような人は大抵スライスで悩むか、球が上がらずに悩みます。打ち込みすぎるので、アイアンは良いのですがウッドは苦手な人はこのパターンになっている可能性があります。
3.明治の大砲
体重が右に残るいわゆる明治の大砲と呼ばれるスイングもしなりが上手く使えないと言えます。シャフト自体はしなっている場合もありますが、体重が右に残るとインパクトの前でしなるので、インパクトの手前の方でヘッドスピードが速くなり飛距離を損しています。このようなスイングの人はスピン量が増えて球がふけ上がります。
シャフトがしなる4つのポイント
シャフトにはしなるポイントが4つあります。1つずつ解説していきます。
1.グリップはゆるく握る
まず、スイングに入る前にしならすためにはグリップはゆるく握りましょう。肩の力を抜いて腕はだらりと垂らして鞭のように使うためにグリップは弱く握ります。そしてスイング中アドレスで握った強さを変えないようにしてフィニッシュまで振るのがポイントです。
2.テークバックは腕だけで上げない
スイングの始動であるテークバック。多くのアマチュアは腕だけで上げています。腕だけで上げると基本的にアウトサイドに上がるか、それを警戒して手元が体から離れながらロールしてインサイドにクラブを寝かすかのどちらかになります。これではしなりが使えたとしても球は大きく曲がる原因です。
正しいテークバックはアドレスで出来た両腕の三角形を崩さずに軸がずれないようにして体で上げます。体が先行すればするほどシャフトはしなりますが、テークバックのしなりはそれほど重要では無いのであまり気にする必要はないでしょう。
3.切り返しは体の巻き戻し
トップからダウンスイングに入る動作が切り返しです。ここでしなりが使えるかどうかでベッドスピードは大きく違ってきます。よくある動作としてトップで一度止まる人がいますが、止まってしまうと体で戻したとしてもシャフトはあまりしなりません。トップは作るものではなく、バックスイングで捻った体を戻す時の時間差で多少止まって見えるだけと思って下さい。この体で巻き戻す動きができるとダウンスイングで腕とクラブにタメができてインパクトに向けて一気に解放することができます。
4.インパクトで左に突っ込まない
インパクトではシャフトはCの字にしなる逆しなりが起こります。インパクトで頭がボールより目標方向に動くと逆しなりが起こらずにしなりを使えません。昔からよく言われるビハインドザボールになるようにしましょう。過度な左への体重移動をしながら頭を残すとフェースが上を向いてインパクトするのでスピン量ばかりが増えて球が吹け上がります。それを嫌がって腕で返すと左へ飛ぶチーピンになります。
シャフトのしなりを使うためのドリル
シャフトをしならせる動きが分かっても実際にそのような動きができるかどうかは別問題です。これはシャフトのしなり以外の動作にも言えることですが、ゴルフの動きは一瞬なので頭で理解するだけでは体が反応しません。正しい動きを繰り返し行なうことで体に覚えこませる必要があります。そこでシャフトのしなりが使えない人のためにおすすめのドリルを紹介します。
1.普通にアドレスをする
始動をクラブヘッドからではなく胸を右に向ける動作で行う(クラブヘッドができるだけ遅れてくるように)
2.胸が右を向いたら腕を使わずに切り返して打つ
このドリルのポイントは腕の力をできる限り抜いて打つことです。グリップもゆるゆるに握ります。イメージとしてタコのように関節が無くなったような感じで腕をしならせます。テークバックで体から動かし、極端にクラブを遅らせることでこの感覚を掴むことができます。難しければ小さい振りからやってみましょう。
シャフトにもこだわろう
シャフトのしなりを使うのに大切なのは体の使い方だけではありません。シャフト自体によってしなり方が違います。自分に合ったシャフトを選ぶには、硬さ、トルク、キックポイントの3つをチェックしましょう。
1.シャフトの硬さ
まずはシャフトの硬さです。これは知っている人がほとんどだと思いますが一般的にL.A.R.SR.S.Xがあります。この他にももっと硬いXXなどもありますが、基本には特注品となります。シャフトの硬さはヘッドスピードで選ぶと良いと言われています。その他にもスイングテンポの速い人は硬めのシャフトが合っていることが多く、逆にスイングテンポの遅い人は柔らかいシャフトが合っていることが多いです。
2.トルク
シャフトには硬さの他にも、トルクとキックポイントがあります。トルクとはシャフトのねじれを表す数値です。トルクが多いシャフトはねじり戻りが大きく球が捕まりやすくなりますが、その分タイミングが合わないと大きく曲がることにもつながります。逆にトルクの少ないシャフトだとねじれが少ないので、自分で捕まえる動きができないと球が右に行ったり、シャフトが棒の様に硬く感じます。
3.キックポイント
キックポイントとはシャフトがしなる場所です。キックポイントには先調子、中調子、元調子、ダブルキックポイントの4種類があります。先調子は手元が硬く先が柔らかくなっているのでヘッドが走ります。その為、球が上がりにくい人や捕まりが悪い人に合っています。手元調子は手元が柔らかく、先が硬くなっているので、ヘッドの走りを抑えます。球が上がりすぎる人や、捕まりすぎる人に合っています。中調子はその中間です。ダブルキックポイントは手元も先も柔らかいので、自分でタメを作れず捕まりの悪い人に合っています。あくまでも大まかな特徴を書いただけなので、実際に打ってみると違った感想を持つ方もいるかも知れません。シャフトは単体の性能もありますが、クラブヘッドとの相性も大切です。色々なクラブを打ってどの様な道具が自分に合っているのか知ると良いでしょう。
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まとめ
今回はシャフトのしなりを使って飛距離をアップさせる方法をお伝えしました。飛ばす要素も色々とあり、体を鍛えて飛ばすことも大切ですが、道具を上手く使って飛ばす方が簡単です。どうしてもシャフトのしなりを感じられない人は今回紹介したドリルを繰り返し行なってください。練習器具なども売っていますので、試すのもいいかもしれませんね。シャフトのしなりを上手く使えるようになれば今よりも飛距離をアップさせることができるので頑張ってしなりを使える様にしましょう。この機会にシャフトのしなりを覚えてライバルに差をつけましょう。