目次
パターほど形状がさまざまなクラブは他にありません。多種多様なヘッド、シャフトの形もグリップの太さも幅広く、どう選んだらよいのか途方にくれてしまうかもしれませんね。そこで今回は初心者におすすめのパターの形状の基本や選び方のポイント、そしておすすめのパターを紹介していきたいと思います。
パターはスコアメイクで最も重要!
初心者の方はドライバーの難しさを痛感しているでしょうし、気持ちよくドライバーを打つことができたらどれだけ楽しいだろうと考えるでしょう。それは間違っていませんし、ドライバーが当たった時は大変な爽快感があります。しかし、少しゴルフに慣れてラウンドをしはじめるとパターの重要性に気がつくでしょう。よく言われるように200ヤードのショットも1mのパッティングもスコア上は同じ1打です。残り5mから3つも4つもかかってしまってはスコアは縮まりません。パターはスコアメイクの上で最も重要なクラブといっても過言ではないでしょう。
パターの形状について
ピン型
ゴルフクラブメーカーのピンがはじめて世の中に出した形状であることからピン型と呼ばれています。メーカーの名前が形状の一般名称として使われるほどインパクトのある発明で、パターのスイートスポットを広げるという考え方がはじめて具体化されたパターです。その後各社が同様の形状のパターを作り、今では非常に一般的な形状です。細長いヘッドでアイアンと同じような感覚で構えることができ、フェースの開閉を使ってストロークするスタイルに向いています。
マレット型
カマボコ型とも言われ投影面積の大きなヘッドで、安定感があります。ピン型に比べると重心深度が深いためフェースをまっすぐに動かしやすい形状です。ピン型よりも深い前傾でアドレスをしてフェースを開閉させずにストロークする打ち方に向いています。初心者の方には失敗がすくないパターといえると思います。
ネオマレット型
マレット型の進化系で近年使用するプロも急増。それにつれ市場でも多くのモデルが出回るようになりました。マレット型を基本ベースとした上でさまざまなテクノロジーを搭載してスイートスポットが広く、オートマチックにストロークしやすいパターになっています。限界まで重心をコントロールするために形状が少し特殊なものが多いのですが、それが気にならなければ大変使いやすい型です。
初心者にやさしいパターの選び方
ヘッド形状で選ぶ
一見してわかるパターの違い、特徴はヘッドの形状でしょう。機能的にもヘッドが果たす役割は非常に大きく、ヘッド形状でパターの性格が大きく変わります。アイアンとの流れを切らさずラインが出せるピン型、安心感の大きいマレット型、オートマチックなイメージが沸くネオマレット型といった特徴があります。
どんな形状を選ぶかは最終的には好みですが、アドレスの前傾が浅い人はピン型、深い人はマレット型が向いています。まだ好みなどがよくわからない場合は、まずマレットかネオマレットを選ぶと良いでしょう。肩を動かしてストロークする感覚がつかみやすい形状です。
ネック形状で選ぶ
ヘッドとシャフトの接点はネックです。このネック形状もさまざまなものがあります。シャフトの延長上にボールを捉えることができるクランクネックやベントタイプ、自然なシャフトのつき方を重視したストレートネックなどがあります。最初はシャフトの延長線上にボールがくるようなタイプが打ちやすいので、クランクネック、ベント、スラント(メーカーによって呼び名が変わります)といったタイプが良いでしょう。
長さで選ぶ
一般的にはパターは34インチが基準になりますがフェースの開閉をおこなうピン型はやや長めに、ヘッドのまっすぐな動きを重視するマレットやネオマレットは短めのシャフトが使いやすいとされています。またパターのアドレスは腰への負担が大きいので、腰に不安のある方は長めのパターのほうが安心です。
プロゴルファー使用モデルで選ぶ
パターというクラブは14本の中で唯一初心者でもプロと同じモデル、同じスペックが使えるクラブです。もちろんプロと同じだからうまくいくというわけではありませんが、憧れのプロと同じというだけで気分が上がります。
またパッティングというのは非常に難しく、すぐに壁にぶつかります。無名のパターだから入らないなどということは無いのですが、うまくいかないとついつい道具のせいにしたくなるのがゴルファーの性。そんな時プロが使用しているパターなら道具のせいにはしづらいですよね。結果練習に励むことになるということもあるでしょう。
初心者にやさしいピン型パター3選
ピン型パターのおすすめ3選を紹介します。フェース面を意識しやすい形状でアイアンと同じように目標に対してアドレスすることができる形状です。フェースが返りやすい形状ですのでやや開いてインパクトに向かい、閉じてフォローに向かうという性質があり他のクラブに近い使い方になります。
ピン SIGMA G シグマ G アンサー ブラックニッケル
王道ピン型パター
オーソドックスなピン型形状ですが、グリップは細いピストル型ではなくテーパーの少ない全体に太いタイプが装着されています。極薄のアルミニウムのTR溝の背部にエラストマーのペバックスが装着されていて、インパクトの時に発生するボールとの衝突の衝撃をやわらげる効果があります。柔らかい打感と打音で転がりの良いパッティングが可能です。またヘッドが重めにできていますのでインパクトでカツンと打ってしまうミスが出るような方にはおすすめです。
こんな人におすすめ!
オーソドックスなパターを使いたい方
タッチが安定しない方
ピン SIGMA G シグマ G アンサー ブラックニッケルの口コミ
ヘッドが重くて重心が下にくる分、フォロースルーがしっかりする。
ピン SIGMA G シグマ G アンサー ブラックニッケルの仕様・製品情報
ヘッドタイプ | ピン型 |
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ヘッド素材 | 174ステンレス |
フェースインサート | ペバックス |
長さ | 32/33/34/35 |
その他 | ブラックニッケル仕上げ |
オデッセイ ストロークラボ STROKE LAB DOUBLE WIDE
一般的なピン型よりも幅広く安定感がある
今回はピン型に分類しましたがピン型とマレット型の中間的な性格のパターです。ヘッドはピン型形状ですが上から見ると幅があり安定感を感じます。パター全体で慣性モーメントをコントロールして余分な動きをしないように作られており、安定したパッティングを可能にしています。シャフトはスチールとカーボンの複合シャフト。一般的なスチールシャフトよりも40g程度軽量化されていますので、打感が手に伝わりやすくタッチが出しやすくなっています。
こんな人におすすめ!
ストローク中に過剰に手を使ってしまう方
ピン型のヘッドが良いがマレットのようにまっすぐなストロークでパッティングしたい方
オデッセイ ストロークラボ STROKE LAB DOUBLE WIDEの口コミ
オデッセイ ストロークラボ STROKE LAB DOUBLE WIDEの仕様・製品情報
ヘッドタイプ | ピン型 |
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ヘッド素材 | ステンレス |
フェースインサート | ホワイトホット マイクロヒンジ・インサート |
長さ | 34 |
その他 | STROKE LAB Over sizeグリップ |
ピン ブロンズ SCOTTSDALE ANSER
世界中でビギナーからプロにまで愛されるロングセラーモデル
ピン型、という名称はこのパターの形から生まれたと言っても良いパターです。ブロンズヘッドの柔らかい打感と細めのピストルグリップが特徴。イントゥインのストロークでフェースの開閉を使う打ち方に適してします。またストロークだけでなくインパクトの強さで距離感を出す打ち方にも合ったパターです。最近のパターに比べると軽いので、ボールが転がりやすくなっていますから普段パッティングでショートしてしまう方には距離が合いやすいパターです。
こんな人におすすめ!
重いパターでショートしてしまう人
伝統的なオーソドックスな形状が好きな方
ピン ブロンズ SCOTTSDALE ANSERの口コミ
ピン ブロンズ SCOTTSDALE ANSERの仕様・製品情報
ヘッドタイプ | ピン型 |
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ヘッド素材 | ブロンズ |
フェースインサート | なし |
長さ | 32/33/34/35 |
その他 | アライメントラインなし |
初心者にやさしいマレット型パター3選
続いてマレット型パターのおすすめ3選を紹介します。ピン型がアイアンなどと同じようにインサイドインの軌道を描くのに対して、マレット型はより直線的な動きをするのに向いています。重量もピン型よりは重いものが多く、インパクトの力加減というよりもストロークの幅で距離感を調整するのに向いたパターです。カップに対してまっすぐ引いてまっすぐ出すという動きをしやすいパターですので初心者の方には大変使いやすいパターと言えるでしょう。
本間ゴルフ ツアーワールド TW-PT パター マレットタイプ センターシャフト
ツアープロも認めた打ちやすいパター
アルミのソールで中央の重量を軽量化。トゥ側とヒール側にタングステンウエイトを入れることでスイートスポットの広さを確保しています。シャフトの延長線上でボールをヒットできるセンターシャフトタイプのパター。フェースバランスになっており、フェースがまっすぐ動かしやすいという特徴があります。引っ掛けや押し出しが起こりにくく、まっすぐに打ちやすいパターです。すわりの良さが際立ったパターで、艶消しブラックのボディと白のサイトライン効果もあり、アドレスした時にカップインのイメージが沸くルックスといえます。
こんな人におすすめ!
すわりの良いパターを好む方
センターシャフトタイプが打ちやすい方
本間ゴルフ ツアーワールド TW-PT パター マレットタイプ センターシャフトの口コミ
本間ゴルフ ツアーワールド TW-PT パター マレットタイプ センターシャフトの仕様・製品情報
ヘッドタイプ | マレット型 |
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ヘッド素材 | ボディ:SUS303ソフトステンレス/ソール:アルミニウム/ウエイト:タングステン |
フェースインサート | なし/ミーリング加工 |
長さ | 34 |
その他 | フェースバランス |
ピン GLe2 シェイ パター レディス
ミスしても転がりが良いパター
2重構造のインサートでソフトな打感があり、TR溝構造のフェースインサートと裏面に配置されたペバックス(エラストマー)でミスをしても転がりが良く、距離感の合わせやすいレディース用のパターです。重量感のあるヘッドで安定したストロークができ、インパクトでパンチが入ってしまい距離感を誤ってしまうような癖のある方には特におすすめです。オーソドックスなマレット型の形状はアドレスがとりやすく、緊張するショートパットの場面でも安心してストロークができるでしょう。
こんな人におすすめ!
柔らかい打感を好む方
ミスに強いパターをお探しの方
ピン GLe2 シェイ パター レディスの口コミ
ピン GLe2 シェイ パター レディスの仕様・製品情報
ヘッドタイプ | マレット型 |
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ヘッド素材 | 17-4ステンレス |
フェースインサート | ペパックス(エラストマー) |
長さ | 31/32/33 |
その他 | キャディバッグ、ウェアなどとコーディネイト可能 |
クリーブランド メンズ ハンティントンビーチ コレクション
王道のマレットタイプ
非常にオーソドックスなマレットタイプで初心者の入門編パターとしてはクセの無さ、価格の手頃さなどからうってつけ。やや重量感があり振り子運動しやすいパターで、ミーリングのフェースが高級感を演出しています。サンドブラストタイプのショット仕上げのヘッドは晴天の日でも太陽の反射が少なく、安心してアドレスをすることができます。入門編とはいえ基本性能は非常にしっかりとしており、フィーリングがあえば長く使い続けることができるパターです。
こんな人におすすめ!
オーソドックスなマレットタイプで求めやすいパターをお探しの方
クリーブランド メンズ ハンティントンビーチ コレクションの口コミ
クリーブランド メンズ ハンティントンビーチ コレクションの仕様・製品情報
ヘッドタイプ | マレット型 |
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ヘッド素材 | SUS304ステンレス |
フェースインサート | ミーリング加工 |
長さ | 34 |
その他 | 高精度CNC削り出し |
初心者にやさしいネオマレット型パター4選
最後に紹介するのはネオマレット型パターです。近年急速にプロの間で使用選手が増え、それにつれアマチュアでも使う方が多くなりました。全体に非常にヘッドが大きく、そのためスイートスポットが広くなっています。またさまざまなテクノロジーが投入されているモデルが多いのが特徴です。長くゴルフをやっている方ですと、どうしても形状に馴染めないので使えないという方もいるようですが、初心者の方は逆にすんなりとネオマレットに入っていけるのではないでしょうか。重量がある重いパターがネオマレットの主流ですので、ベントで速さのあるグリーンでは特に威力を発揮します。
テーラーメイド スパイダーX ブルー ホワイト スモールスラント
ネオマレットの代表格スパイダー
ネオマレット型というと、まず頭に浮かぶのはテーラーメイドのスパイダーではないでしょうか。PGAツアーでも使用プロが多く、ジェイソン・デイ、ローリー・マキロイなどが使用していることで有名です。形状は非常に特殊ではありますが、徹底的に慣性モーメントを高めた設計になっておりパターにまかせてストロークすればまっすぐにヘッドを出すことができるパターです。シャフトにもいろいろなタイプがありますが、スモールスラントが一番オーソドックスで構えやすいと思いますので最初に試すのはスモールスラントがおすすめです。
こんな人におすすめ!
オートマチックなストロークでパッティングしたい方
プロゴルファー使用モデルを使ってみたい方
テーラーメイド スパイダーX ブルー ホワイト スモールスラントの口コミ
テーラーメイド スパイダーX ブルー ホワイト スモールスラントの仕様・製品情報
ヘッドタイプ | ネオマレット型 |
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ヘッド素材 | 304ステンレス+グラファイトコンポジット |
フェースインサート | アイオノマー |
長さ | 33/34 |
その他 | スーパーストロークグリップ |
オデッセイ トリプルトラック テン
コースでまっすぐに構えられるパター
練習場と違い、コースではターゲットにまっすぐに構えることが非常に難しいものです。特にパッティングの場合はショットよりもはるかに影響が大きく、わずかでも方向がずれていたら、もうカップには入りません。最近はプロでもアライメントラインといわれるまっすぐな線をボールに引いている選手が多いようですが、トリプルトラックパターはキャロウェイのトリプルトラックボールと同じ3本の線が引かれています。この3本の線を目標に向け、ボールとパターの3本の線を合わせることで目標に対して性格に構えることが可能になります。
こんな人におすすめ!
トリプルトラックボールを使っている方
パッティングのアドレスの向きに不安がある方
オデッセイ トリプルトラック テンの口コミ
オデッセイ トリプルトラック テンの仕様・製品情報
ヘッドタイプ | ネオマレット型 |
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ヘッド素材 | ステンレス+ABS |
フェースインサート | ホワイトホットインサート |
長さ | 33/34 |
その他 | スーパーストロークグリップ |
ピン シグマ2 タイン 4
直線で構成されたマレット型
形状的にはピン型のパターにウイングをつけたようなシェイプで、アドレスすると直線の部分が非常に目につきます。そのためストロークをまっすぐに動かすイメージが出やすくなっておりマレットの丸い形だとラインが出にくいという方にはおすすめのパターです。打感、打音ともマイルドで柔らかいタッチをイメージしやすいのもポイントでしょう。
こんな人におすすめ!
ピン型のブレードが好みの方でマレットタイプを使ってみたい方
打音、打感などを重視する方
ピン シグマ2 タイン 4の口コミ
ピン シグマ2 タイン 4の仕様・製品情報
ヘッドタイプ | ネオマレット型 |
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ヘッド素材 | 174ステンレス |
フェースインサート | ペバックス(エラストマー)CTP |
長さ | 33/34/35 |
その他 | プラチナム仕上げ |
スコッティキャメロン 19 ファントム X 5.5
スコッティキャメロンが技術の粋を注ぎ込んだ逸品
可変ウエイトをソールに入れスイートスポットを拡大するなどスコッティキャメロンが革新的技術を注ぎ込んだパターです。初心者にスコッティキャメロンがおすすめなのか?という疑問はあるかもしれませんが、一生もののパターになりますし、リセールバリューも非常に高いので結局はお得であるともいえます。また「これだけのパターを買ったのだから練習しなくては」という気持になることで上達が速くなるという効果も期待できます。
こんな人におすすめ!
高品質のものを買って長く愛用したい方
重めのパターを使いたい方
スコッティキャメロン 19 ファントム X 5.5の口コミ
スコッティキャメロン 19 ファントム X 5.5の仕様・製品情報
ヘッドタイプ | ネオマレット型 |
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ヘッド素材 | 6061アルミニウム、303ソフトステンレス(ウイング) |
フェースインサート | |
長さ | 33/34/35 |
その他 | カスタムソールウエイト装着 |
まとめ
初心者のうちはパターを軽視してしまう方もいるようです。最初はクラブにうまく当たらず練習場で小気味よい音をさせて打っている上級者がうらやましくて仕方がないものですから、まずはドライバー!と考えるのも無理はありません。
しかし、いざコースに出た時に本当に重要なのはパッティング、そしてそれを支えるパターです。パターは空振りしたり大ダフリしたりすることはありませんが、毎回しっかりとスイートスポットで打つのは非常に難しいものです。そしてスイートスポットを外してしまうと転がりに大きな影響が出ますから距離感は合いませんし、ショートパットも入らなくなってしまいます。
ですのでしっかりとスイートスポットで打てるパターを選ぶことがパッティング上達の第一歩と言っても過言ではないでしょう。今回の記事を参考にしていただき、ぜひ自分にピッタリの1本を見つけてください。