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ゴルフの6割以上は100ヤード以内のショットと言われています。男性であれば多くの人がウェッジで打てる距離だと思います。それだけにウェッジ選びがスコアを良くするのに重要なクラブだと言えます。昔はウェッジと言えばPやAやSと書かれたセットの物のクラブが一般的でした。しかし、最近はウェッジのバリエーションが多くどんな物を買えば良いのか悩むと思います。ロフト角はなんとなく理解していてもバウンスについて良くわからない人は多いはずです。ゴルフクラブはウェッジ以外にバウンスの表示が無いので、何がどう違うのかわからずに使っている人ばかりです。今回はバウンスによる違いを説明していきます。この記事を読めばウェッジの理解が深まりスコアアップに繋がるかもしれません。是非最後までお付き合いください。
ウェッジのバウンス表示とは?
ウェッジには英語や数字が書いてあります。アイアンセットに入っているウェッジにはP、A、Sと書いてある物が多く、Pはピッチングウェッジ、Aはアプローチウェッジ、Sはサンドウェッジです。最近はセット物以外でも単品でウェッジが売られており、大抵48°とか56°など数字で書いてあります。この数字がロフト角です。ロフト角はフェースの開き具合を表しています。数字が大きければ大きいほど飛ばないクラブです。その数字の下に08や12などと書いてあるのがバウンスです(書いていないクラブもあります)。バウンスとはクラブのシャフトを地面と垂直にした時に、クラブヘッドのリーディングエッジ(歯の部分)と、ソール面が作る角度のことです。バウンスがあるとバンカーショットでもバウンスが砂を弾いて深く刺さることがなくなります。バウンスが無ければ砂に深く刺さって難しくなるのです。バウンスの効果が1番わかりやすいのがバンカーですが、芝の上からのショットの時も同様です。バウンスがあるとリーディングエッジより先にバウンスが地面にあたります。つまり、バウンスのおかげでダフっても地面に刺さらずにバウンスが滑ってフェースがボールの下に入ってくれるのです。
ウェッジのバウンス表示が重要な理由
最近のウェッジではバウンスの表示がありますが、それは何故でしょうか?20年ほど前のクラブでも単品で買うウェッジにはバウンス表示があるモデルもありましたが、ほとんどのクラブではバウンスは表示されていませんでした。しかし、最近の単品で買うウェッジにはほとんどのクラブにバウンス表示があります。これはバウンスの重要性が一般のアマチュアにも浸透してきたからだと思います。バウンスが多ければリーディングエッジが地面に刺さらずに滑ってくれるのですが、多ければ多いほど良いというものでもありません。自分に合ったバウンスを選ぶことが大切です。
バウンスは一般的に12°以上をハイバウンスと呼び、8°以下をローバウンスと呼びます。どちらにもメリットとデメリットがあるのでどのようなゴルファーに向いているのか紹介していきます。
ハイバウンスのウェッジが向いているゴルファー
ハイバウンスが向いているゴルファーはダウンブローに打ち込むプレイヤーです。特にボールを右足寄りに置いて打ち込む人はハイバウンスのウェッジが合っています。ハイバウンスのメリットはバウンスがあるため地面に刺さらないことです。アイアンでも同じですが薄いクラブと厚いクラブではダフった時のミスが変わります。マッスルバックアイアンのような薄いアイアンでは、少しでもダフれば地面に刺さって大きなミスになります。しかし、中空アイアンのような厚いクラブでは少し手前をダフっても地面に刺さらずに滑ってくれるのです。ハイバウンスのウェッジでは接地した時の抵抗が増えるので、厚いアイアンと同じように地面に刺さらずに滑ってくれるのです。
バンカーが苦手な人にもハイバウンスのウェッジがおすすめです。理由は同じで打ち込んでも刺さらずに砂を爆発させてくれるからです。バンカーが苦手な人は砂を爆発させるのが苦手です。ハイバウンスのウェッジを使うことで普通に打ち込むだけでバンカーを出すことができます。ハイバウンスのソールが広いウェッジなら、この効果は更に上がります。
ハイバウンスは地面に刺さらないことがメリットですが、デメリットもあります。芝の薄いライやベアグランドバウンスではリーディングエッジが浮くのでトップするリスクが上がります。フェースを開いて使いたい人も使いづらく感じるかもしれません。基本的にハイバウンス、ローバウンスに関わらずフェースを開けば開くだけバウンスは更に強くなります。元からバウンスが効いているハイバウンスのウェッジを開くとリーディングエッジがかなり浮くので、ハイバウンスのウェッジでフェースを開いて使いたい人は開いてもそこまで影響が出ないようなソールのウェッジを見つける必要があります。
ローバウンスのウェッジが向いているゴルファー
ローバウンスのウェッジが向いているゴルファーは入射角が緩やかなプレイヤーです。ボールを左に置いて入射角が緩やかに打てる人や、フェースを開いて落ちてからすぐに止まるようなアプローチをしたい人に向いています。ローバウンスのウェッジはバウンスが邪魔をしません。思った場所にリーディングエッジを入れることができる人はボールをクリーンに打つことができます。フェースを開いてもハイバウンスのウェッジほどリーディングエッジが浮かないので、フェースを開いて止まる球を打ちたい人に向いているでしょう。ローバウンスのウェッジは薄い芝や硬くて砂の少ないバンカーでは打ちやすく感じると思います。
ローバウンスのデメリットは打点や軌道が安定しないと難しいことです。インパクトの時のバウンスがあまり利かないので、リーディングエッジが刺さりやすく、フェースを開かないと芝にすぐに刺さってダフります。基本的にはプロや上級者向きと言われ技術がないと使いこなすのは難しいと言えるのがローバウンスのウェッジです。
ハイバウンス、ローバウンスのウェッジの選び方
ハイバウンス、ローバウンスのウェッジの選び方を紹介します。まずはハイバウンスのウェッジからです。ハイバウンスのウェッジ選びは毎回同じように打ちたいのか、それとも状況によってフェースを開いたりして操作したいのかによって変わってきます。フェースを開いたりせず毎回同じように打ちたい人はソールが広いタイプのウェッジが合っています。フェースを開いて様々な球を打ちたい人はハイバウンスのウェッジでも開いたときにリーディングエッジが浮かないようなソール形状のクラブを買わないとバウンスが邪魔になります。
ローバウンスウェッジの選び方も基本的には同じです。ローバウンスでも簡単に打ちたい人はソールが広いタイプのウェッジを買うのがおすすめです。ローバウンスのウェッジは開いて使いたい人が多いはずです。そのような人は開いた時の顔やどれくらいリーディングエッジが浮いた状態になるのか確認しておきましょう。
プロがおすすめするハイバウンスウェッジ3選
タイトリスト SM9
ハイバウンスでもローバウンスでもOKでプロ使用率が高いのがタイトリストSM9ウェッジです。フェースを開かなくても開いても良い顔のクラブで、癖がないウェッジです。ロフト角とバウンスが豊富で、自分に合うクラブを見つけられれば最高のクラブだと思います。
キャロウェイ JAWS FORGEDウェッジ
キャロウェイから出ているJAWS FORGEDウェッジはデザインがカッコよく憧れるアマチュアは多いと思います。自分好みにカスタムオーダーができて初心者から上級者まで納得のウェッジです。癖のない顔で一般的なサンドウェッジの56°はバウンス角が12°なのでハイバウンスウェッジに興味があるけれど、できるだけオーソドックスな顔のウェッジを求める人にぴったりと言えるウェッジです。
フォーティーン RM-a
できるだけアプローチをシンプルに打ちたい人におすすめのウェッジがフォーティーンRM-aです。リーディングエッジが刺さりにくい構造になっていて、ダフりやチャックリで悩む人におすすめできます。フェースを開いたりする上級者ではなくオートマチックに打ちたい人にぴったりなウェッジがフォーティーンRM-aです。
プロがおすすめするローバウンスウェッジ3選
キャスコ DOLPHIN WEDGE
キャスコから出ているDOLPHIN WEDGEはソールが広く易しいローバウンスのウェッジです。ローバウンスは通常フェースを開いて使う人が多いのですが、このウェッジは開いても使えるし、開かなくてもバウンスが効くようにできているウェッジです。どちらかと言えば上級者よりも初級者、中級者向けウェッジと言えます。
クリーブランド RTX6 ZIOCORE
松山英樹が使用しているダンロップから出ているウェッジがクリーブランドRTX6 ZIOCOREです。ローバウンスのウェッジは鋭角なリーディングエッジで、まさしく上級者向きと呼べるようなウェッジです。どのような場面でも優れたスピン性能を発揮するHydraZipフェースが特徴です。
テーラーメイド HI-TOE3
テーラーメイド契約選手が使っているのがテーラーメイドHI-TOE3です。タイガーウッズをはじめとする数々のツアー選手が使っており、フェース全体に溝があってどこに当たってもスピンが安定するのが特徴です。フェースを開いて使う上級者向けのクラブといえます。
まとめ
今回はバウンスについてお伝えしました。最近は同じロフト角でも異なったバウンスが選べるウェッジが多くあります。自分に合っていないウェッジを使っていると思わぬミスになることもあるのでウェッジ選びは重要です。選び方が分からなければ好みの顔で10°前後のクラブを買えば間違いありません。ハイバウンスのウェッジはダフりたくない人やバンカーが苦手な人、ローバウンスのウェッジは様々なテクニックを使いたい人に合っています。
バウンスの違いは実際に使ってみないと分からないことも多いです。それも、マットの上からではなく芝の上から打たないと、何が良くて何が悪いのか分からないことばかりです。マットの上ではリーディングエッジから入っても滑るし、ハイバウンスのウェッジではフェースを開くとリーディングエッジが浮きます。しかし、実際の芝では、リーディングエッジから入ればダフります。ハイバウンスのウェッジを開いても、芝の長さによっては気にならないこともあったりします。もし、レンタルできる環境にあれば、実際にレンタルしてコースで使ってみることをおすすめします。