「ビハインド ザ ボール」。これを聞いただけで何のことかわかりますか?ボールを効率よく飛ばすための動きがビハインド ザ ボールです。プロの映像を見るとほとんどのプロのドライバーショットは頭の位置がアドレスより後ろにあります。実際は自分でビハインド ザ ボールにしようとしてやっているプロは少ないと思いますが、ビハインド ザ ボールの形ができると球が飛ぶようになります。見た目もかっこ良く見えるのでビハインド ザ ボールにするにはどうすれば良いのか悩んでいる人もいるかもしれません。今回はビハインド ザ ボールについて詳しくお伝えします。
ビハインド ザ ボールとは
ヘッド ビハインド ザ ボール。略してビハインド ザ ボール。直訳すると「頭を球の後ろに」という意味です。プロのドライバーショットはアドレスより頭が目標方向に対して後方に下がった状態でインパクトしています。逆に飛ばないアマチュアゴルファーはインパクトで頭が突っ込んだ状態になっていることがあります。ゴルフで飛ばすためにはボールスピードが速く高弾道低スピンが良いとされています。それを実現させるためにはビハインド ザ ボールが最適です。
ビハインド ザ ボールのメリット
プロのドライバーショットのインパクトはビハインド ザ ボールになっているのですが、メリットは何か気になる人も多いのではないでしょうか?ビハインド ザ ボールにするメリットは以下の通りです。
- ヘッドスピードが速くなる
- 球が捕まる
- 打ち出し角度を高くできる
主にこの3 点です。1つずつ説明していきます。
1.ヘッドスピードが速くなる
ビハインド ザ ボールができるとヘッドスピードが速くなります。これは遠心力を最大限に使えるためです。ゴルフは体を捩じるのでバックスイングでは 頭は軽く右に移ります。体の捻転差を保ったままダウンスイングに入るには下半身から動き出す必要があり、上半身は下半身に比べて遅れて降りてきます。そのためインパクトでは球より頭が後ろになるのです。ビハインド ザ ボールになると上半身とクラブが引っ張り合う形となり遠心力が最大に生まれます。イメージとしてはハンマー投げのような感じでしょうか。頭が突っ込むと支点がずれるので遠心力を出しにくく、ヘッドスピードを速くすることが難しくなります。当然ヘッドスピードが速い方が飛距離が出せるのでビハインド ザ ボールは飛距離アップに重要な要素となります。
2.球が捕まる
ビハインド ザ ボールができるようになると球が捕まります。インパクトで目標方向に頭が突っ込んでいる人はインパクトで肩が開きアウトサイドインの軌道で打っている人がほとんどです。アウトサイドインの軌道はスライスとなり球が捕まらず弱弱しい弾道になります。アウトサイドインで球を捕まえにいくと、そのまま左に引っかけることになり、これでは正しく球を飛ばすことはできません。
ビハインド ザ ボールができるとダウンスイングでクラブがインサイドから降りてきます。インサイドから降りてくればアウトサイドインに比べて球は捕まります。肩の開きも抑えられてヘッドが返るようになるため捕まるようになるので、打ちたい場所に飛ばすことが簡単になります。
3.打ち出し角度を高くできる
ビハインド ザ ボールができると打ち出し角度を高くすることができます。ビハインド ザ ボールにすると最下点の後で球に当てることが簡単になります。顔が残れば残っただけ打ち出し角度を高くすることができるので、飛ばしの要素の1つである高弾道にすることができます。
ビハインド ザ ボールができていない理由
プロはドライバーでビハインド ザ ボールができていますが、アマチュアの人を見るとできている人もいれば、できていない人もいます。できている人は問題ありませんが、ビハインド ザ ボールができない人のために理由をお伝えします。ビハインド ザ ボールができない原因は以下の通りです。
- 上半身に力が入り過ぎている
- アドレスが間違っている
- 体重移動が間違っている
大きく分けるとこの3つです。1つずつ説明していきます。
1.上半身に力が入り過ぎている
ビハインド ザ ボールができていない人は大抵上半身に力が入り過ぎています。上半身に力が入り過ぎるため腕で振ろうとしすぎます。特にダウンスイングで右手が強いと肩が開き同時に頭が左に動くのでビハインド ザ ボールになりません。このように上半身に力が入り肩が開く人はアウトサイドインの軌道となりスライスか左に飛び出てそのまま左に飛んでいく引っかけになります。
2.アドレスが間違っている
アドレスが間違っているとビハイン ド ザ ボールになりません。特に体の軸が左に傾いているとバックスイングで頭が左に残ったままとなり、そのまま回転するとアウトサイドインの軌道で頭が左に突っ込みます。正しいアドレスは地面から球を打つアイアンは体の軸は真っすぐ、ティーアップして打つドライバーで軽く右に傾くのが正解です。ドライバーでは軸が軽く右に傾いた状態で構えるのでそのまま回転すれば頭は球より後ろに残ったビハインド ザ ボールの形になります。
3.体重移動が間違っている
体重移動のやり方が間違っていることもビハインド ザ ボールにならない原因です。バックスイングで体重を右に移そうとして、下半身だけ右に移すと上体が左に傾きそのまま上体が目標方向に傾いたままインパクトするとビハインド ザ ボールにはなりません。正しい体重移動ができるとドライバーではトップで背骨は軽く右に傾きます。トップで背骨が左に傾くと上体が突っ込んでアウトサイドインで振るか、ダウンスイングで腰が目標方向にスライドしてその結果上体が極端に右に傾きクラブが寝て入る悪い動きとなります。
ビハインド ザ ボールのコツ
ビハインド ザ ボールのコツは上半身の力を抜いて正しい下半身リードで振ることです。軸が正しければ下半身が先行して上半身とクラブが遅れてダウンスイングをすることで自然とビハインド ザ ボールになります。多少ドライバーとアイアンで違う部分があるのでお伝えします。
ドライバーの場合
ドライバーはティーアップした球を打つので通常はアドレスで軸を軽く右に傾けておきます。このような構えから下半身が右に流れないようにして上半身を捻ってトップまで上げていきます。アドレスで軽く右に傾いているのでトップでも軸は軽く右に傾いているはずです。ダウンスイングを上半身から戻すのではなく下半身から戻すことが出来ればインパクトでは頭の位置がアドレスの位置より若干後ろに残ったビハインド ザ ボールとなります。
ドライバーの弾道を抑えたい場合はアドレスで軸を右に傾けず、真っすぐに構えます。このアドレスから軸がずれないようにその場で回転するとインパクトでも頭の位置は変わらずに振ることができます。更に球を低くする場合は球の位置を中央寄りにすると球は低くなります。
アイアンの場合
アイアンとドライバーの差は最下点の前で球を捉えるか、最下点の後で球を捉えるかの違いです。ティーアップしたボールを打つドライバーでは最下点の後で球を捉えるので軸を軽く右に傾けます。アイアンでは最下点の手前で球を捉えるので軸はまっすぐにしておきます。
アドレスから軸がずれないようにその場で回転すると頭は突っ込まずに自然なダウンブローで打つことができます。アイアンで注意してもらいたいのはドライバーと同じように傾いて構えないことです。ドライバーと同じようにビハインド ザ ボールを意識し過ぎて右に傾くと球の手前をダフるので気を付けてください。
ビハインド ザ ボールのドリル
それではビハインド ザ ボールができない人に向けて練習ドリルを紹介します。まずは上体の力を抜くドリルとして連続素振りです。
連続素振り
ハーフスイングを連続で繰り返します。ハーフスイングのフィニッシュまで行ったらそのままの勢いでトップまで持っていくのを繰り返すだけです。ポイントはできるだけ左右対称に振ることです。軸がずれないように注意して体を左右に回して、腕とクラブが付いてくるようにすると下半身と上半身に時間差ができてビハインドザボールにすることができるドリルです。腕だけで振っているとすぐにできなくなりますが、体を使って振ることができると、長く続けて振ることが可能です。
右向きドリル
次は連続素振りよりもっとビハインド ザ ボールになるドリルです。通常球を打つ時は球を見て打っていると思います。この意識でビハインド ザ ボールになっていないなら、ボールを見るのではなく右足前を見ながら打ってみましょう。ボールを見ながら打っていてビハインド ザ ボールになっていないのであれば、ダウンスイングで上体が目標方向に突っ込みながら肩は開いてアウトサイドインで振っているはずです。
肩の開きが抑えられればクラブをインサイドから下ろすことができて正しく飛ばすことができます。バックスイングで体と一緒に顔の向きを右に動かして上げてインパクトでは右足前を見ながら打ちます。顔を右に残すと肩の開きが抑えられアウトサイドインが強制されるドリルです。インパクト後は自然と顔を目標に向けましょう。ずっと顔を残していると肩の開きは抑えられますが、首を痛めるので気を付けてください。もし残したまま打ちたいのであればハーフスイングまでにしておくと体を痛めず修正することができます。
まとめ
今回はビハインド ザ ボールについてお伝えしました。ビハインド ザ ボールができると遠心力が働き球を効率的に飛ばすことができます。ドライバーでは頭が残ることで打ち出し角度を高くすることができ、高弾道の球を打つことができます。今回お伝えしたドリルを繰り返し行い、ビハインド ザ ボールができるようにしていきましょう。