パターはゴルフのラウンド中ほぼ全てのホールで使用する重要なクラブです。今回ご紹介するのは、渋野日向子プロ、鈴木愛プロといったパターの名手が揃って愛用するピン(PING)のパター。新作ピンパターの特徴や魅力、そしておすすめ機種を丁寧に解説します。ピンは多種多様の優れたパターが豊富に揃っていますので、こちらの記事を参考に、ご自分に合ったパターを見つけてくださいね。
ピンはどんなブランド?
ピンは1959年にエンジニアであった創業者カーステン・ソルハイムが、自宅ガレージで自身のパター向上のため自らパターを作り始めたことからスタートしました。ピンという社名は最初に開発された「1-A」の打音「ピーン」が由来となっています。そして1966年にピンの定番モデル「ANSER」が発売され、空前のベストセラーとなりました。現在ではパター以外でも、ドライバーやアイアンが幅広いゴルファーから高い評価を受けています。契約プロは国内では渋野日向子プロや鈴木愛プロ、また海外ではバッバ・ワトソンプロなど、世界中のトッププロがピンのクラブを使用し活躍しています。ピンは創業以来、プロアマ問わず世界中のゴルファーに愛され、今もゴルフの楽しさを提供し続けています。
ピンパター2023の特徴
メーカー新作のパターは通常、シリーズに共通するいくつかの新しいテクノロジーを導入していますが、PING 2023パターはこれまでのシリーズとは別のアプローチを取っています。シリーズに共通するテクノロジーはなく、フェース構造などの機能は10種類のパターそれぞれ使い手をイメージしながら最適なものを搭載しています。ピンパターはパターのフィッティングが自分で簡単にできるのも魅力のひとつ。ストロークタイプやストロークテンポなどが計測できる、スマホアプリ「iPING」を使って、10種類の中から自分の好みや打ち方に合ったパターを見つけましょう。
ピンパターのこだわりポイント
ポイント1 打感
打感に優れているパターとして知られているピンパター。これまでにもフェースに硬質素材やTR溝といった最新のテクノロジーが搭載され、弾きの良い打感や直進性が高いパッティングを実現してきました。PING2023パターに搭載されているPEBAXインサートは、歴代モデルよりもはるかに柔らかい打感を提供。ボールの転がりも良くしてくれています。選択するシャフトの種類によっては打感の感じ方に差が出るといわれているので、フィッティングが重要ともいえます。
ポイント2 ヘッド形状
ピン2023パターはピン型が3種類、マレット型やネオマレット型は7種類の合計10種類を展開しています。たくさんの種類の中から自分に適したヘッド形状を選ぶことができます。複数のアライメントデザインがヘッド形状に合わせて施されていて、構えやすさと方向性に優れているパターが揃っているのが特徴です。レディース用パターの「G Le2パター」も3種類のヘッドを展開しています。
ポイント3 シャフト
ピンパターはこれまでも標準シャフトに、カスタムで長さ調整ができるシャフトを選択することができました。ピン2023パターの場合、標準シャフトは34インチですが、長さ調整機能付きのシャフトが別仕様でラインナップされていて、31〜36インチの範囲で調整が可能です。レディース用の「G Le2パター」のシャフトは、グリップエンドに専用工具を差し込んでひねるだけでパターの長さが調整でき、31~36インチの間で変更することが可能です。
ピンパターの選び方
1.ヘッドの形状で選ぶ
ヘッドの形状は大きく分けて3つのタイプに分けられます。
ピン型
ピン型は面長の形状で、ヒール側とトゥ側に重量配分されているタイプのヘッドです。ストロークの動きにヘッドが自然とついてくるので操作性が良く、ボールに対して直角に構えやすいのが特徴です。構えた時に違和感がある場合は、ターゲット方向にきちんと構えられているかもう一度チェックしてみましょう。フェースの開閉を上手く使いながら方向と距離感を合わせたい方におすすめです。
マレット型
マレット型は形が似ていることから「かまぼこ型」とも呼ばれています。後方が丸みを帯びて膨らんでいる形状のパターです。重心深度が深く、重心位置が後方にあるのでヘッドがブレにくくストロークがしやすくなります。フェースの開閉をあまり使わずに、ヘッドをストレートに動かしたい方におすすめです。
ネオマレット型
ネオマレット型はマレット型と同じ特徴がありながら、よりヘッドが大きくなっているタイプです。ヘッドが大きい分ミスヒットが少なく、方向をイメージしやすいのが特徴です。ただし、フェースの開閉といった操作性には欠けてしまいます。ヘッドが大型でブレが少なく、ショートパットが苦手な方に向いています。
2.ネックの形状で選ぶ
ネック形状の違いによってパターの構えやすさ、打ちやすさが変わります。パターを選ぶ時はネック形状にも注目しましょう。自分のパターの癖に合わせることもポイントです。
クランクネック
クランクネックはカギ型とも呼ばれ、最もスタンダードなネック形状です。シャフトがフェース面の内側にきているのでボールのつかまりが良く、インパクトでボールが当たるタイミングが少し遅れるため右に押し出すミスを軽減してくれます。スタンダードなタイプなので多くのゴルファーが愛用しており、まずはクランクネックから試してみるのがおすすめです。
ベントネック
ベントネックはシャフトが折り曲げられているタイプのネック形状です。重心距離が短く、ボールがつかまりやすいので、右側にプッシュしてしまうミスが少なくなります。オートマチックにパッティングがしやすく、特にショートパットが苦手という方に向いているネック形状です。
センターネック
センターネックはヘッド中央にシャフトが取り付けられたタイプです。シャフトの延長線上にスイートスポットがあり、そこに当てる技術があれば直進性に優れ、狙った場所に打つことが容易になります。しかし打点がバラつくとミスショットの確率が高まるので寛容性は低く、ある程度技術を要するタイプのネックと言えるでしょう。
3.長さで選ぶ
長さもパターを選ぶ際の重要な要素です。長さ選びのポイントは、自分の構えやストロークによって決めるのが一般的で、ボールに対して自然に構えた時にボールの位置が目の真下にくるものが長さの目安となります。一般的な男性のパターの長さは33〜35インチで、統計的には34インチを使っているゴルファーが多く、女性の場合は32インチがスタンダードとされています。パターの長さは距離感にも大きな影響を与えますので、自分に合った長さを選びましょう。
【2023最新】ピンパターのおすすめ機種7選
ピンパターのおすすめ機種について紹介します。
ANSER 2D
重めのヘッドで安心感をもたらすピン型パター
ANSER 2Dはトニー・フィナウプロの意見を具現化したモデルで、従来のANSER 2と比較してソールは18%ワイドで、ヘッドも10g重くなっています。幅が広くて安心感もあることから、ピン型パターを試してみたいけど難しくてマレット型パターしか使ったことない方にもおすすめの一本です。
またインサートには、従来より弾みが増してよく転がる「新ハードPEBAX」を採用。ブラッグのヘッドの中に目立つ一本のサイトラインで、打点とフェース面を合わせやすくしています。
ANSER 2Dの口コミ
こんな人におすすめ!
安心感抜群のピン型パターを求めるゴルファー向け
ANSER 2Dの仕様・製品情報
ヘッド素材 | 304ステンレススチール、タングステン、ハードPEBAX |
タイプ | ピン型 |
ヘッド重量 | 360g |
長さ | 31〜36インチ (長さ調整機能付き) |
仕上げ | – |
ライ角 | 70° |
ロフト角 | 3° |
TYNE G
3本のアライメントが特徴のパター
TYNE Gは、「TYNE」と「FITCH」を融合したモデルです。「G」は英語でOKパットを意味する「Gimme」に由来しています。3本のアライメントが特徴で、正しく構えられてボールも真っ直ぐ出しやすいと評判の一本です。中央にある大きな穴を使ってボールを回収することもできるので、デザイン面でも注目されています。
TYNE Gの口コミ
こんな人におすすめ!
構えやすさを重視したいゴルファー向け
TYNE Gの仕様・製品情報
ヘッド素材 | 304ステンレススチール、ハードPEBAX |
タイプ | ネオマレット型 |
ヘッド重量 | 360g |
長さ | 31〜36インチ (長さ調整機能付き) |
仕上げ | – |
ライ角 | 70° |
ロフト角 | 3° |
TOMCAT 14
オートマチックな性能の大型マレットパター
PINGの大型マレットパターとして支持されているへプラーパターのTOMCAT14と比較して、ヘッド重量が10g重くなりました。このことにより、ストローク時の安定感が更に増しています。14個のサイトドットは滑走路をイメージしたもので、構えやすさを追求しています。弾きの良いフェースを採用し転がりもよいので、ショートしてしまう傾向にある方にもおすすめの一本です。
TOMCAT 14の口コミ
絶対ショートしない。転がりは最高です。
こんな人におすすめ!
ショートするのが悩みというゴルファー向け
TOMCAT 14の仕様・製品情報
ヘッド素材 | 304ステンレススチール、ADC12 |
タイプ | ネオマレット型 |
ヘッド重量 | 380g |
長さ | 31〜36インチ (長さ調整機能付き) |
仕上げ | – |
ライ角 | 70° |
ロフト角 | 3° |
ANSER 2
渋野日向子プロ使用モデルの後継パター
ANSER 2は、渋野日向子プロ使用モデル「SIGMA2 ANSER」の後継ピン型パター。シャープで長めのフェースは構えやすいと評判です。シャフトは長さ調整機能が搭載。フェース側のトゥ・ヒールに高比重のウェイトを搭載していることから、ミスヒットにも強く安定した転がりであらゆるレベルのゴルファーにおすすめです。
ANSER 2の口コミ
こんな人におすすめ!
ロングパットで安定した距離感と構えやすさを求めるゴルファー向け
ANSER 2の仕様・製品情報
ヘッド素材 | ステンレススチール、タングステン |
タイプ | ピン型 |
ヘッド重量 | 350g |
長さ | 32〜36インチ (長さ調整機能付き) |
仕上げ | ステルス仕上げ |
ライ角 | 70° |
ロフト角 | 3° |
TYNE 4
独創的なヘッド形状のネオマレット型パター
両サイドにフィンが付いたような独創的な形状の角型パター。同じシリーズのTYNE Cに比べてヘッドがコンパクトでネックの形状も短めなTYNE 4は、構えやすさと操作性を兼ね備えたパターとしてツアープロにも人気の1本です。最新モデルでは、ヒール・トゥ側に比重の重いウェイトを配置することでミスにも強い仕上がりになっています。
TYNE 4の口コミ
こんな人におすすめ!
目標に対して上手く構えられないゴルファー向け
TYNE 4の仕様・製品情報
ヘッド素材 | ステンレススチール、タングステン |
タイプ | ネオマレット型 |
ヘッド重量 | 365g |
長さ | 32〜36インチ (長さ調整機能付き) |
仕上げ | ステルス仕上げ |
ライ角 | 70° |
ロフト角 | 3° |
PLD ミルドパター アンサー2
最高品質の削り出しで造られ転がりの良さを追求したピン型パター
PLD ミルドパター アンサー2は、これまでツアープロにしか提供されていなかった最高品質の完全削り出しによって造られたヘッドが特徴です。また、長年の研究を経て生み出された「新ディープAMP(アンプ)溝」を搭載。転がりの良さや究極の打感を実現。直線的で狙ったラインにしっかりと乗り、安定したパットが可能となります。サイトラインが入っているので、スクエアにも構えやすい1本です。
PLD ミルドパター アンサー2の口コミ
こんな人におすすめ!
ソフトで繊細な打感と抜群の距離感を求めるゴルファー向け
PLD ミルドパター アンサー2の仕様・製品情報
ヘッド素材 | 303ステンレススチール |
タイプ | ピン型 |
ヘッド重量 | 350g |
長さ | 31〜36インチ |
仕上げ | サテン仕上げ |
ライ角 | 70° |
ロフト角 | 3° |
GLe2 ECHO
ソフトな打感で距離感抜群の大型マレット型パター
GLe2 ECHOはレディース用に開発されたGLe2シリーズの大型マレット型パターです。柔らかな打感を生み出す二重構造のインサートによって距離感が安定します。SIGMA2シリーズにも採用されているTR溝により、ミスした際にも転がりが良く、寛容性の高いパターに仕上がっています。また、自分の好みの長さにシャフトが調整できるので、より安定したストロークを可能にします。デザイン性も高く、引っ掛けや距離感がなかなか合わないパターが苦手な女性にもおすすめの1本です。
GLe2 ECHOの口コミ
こんな人におすすめ!
パターが苦手な女性ゴルファー向け
GLe2 ECHOの仕様・製品情報
ヘッド素材 | 6061アルミニウム/ソールウェイト:17-4ステンレススチール/インサート:ペバックス(エラストマー) |
タイプ | ネオマレット型 |
ヘッド重量 | 360g |
長さ | 32インチ |
仕上げ | アルマイト仕上げ |
ライ角 | 70° |
ロフト角 | 3° |
まとめ
今回はピンパターの特徴とおすすめの機種7モデルを紹介しました。パターはヘッドの形状やフェースの素材、そして長さによって打感や距離感の出しやすさが変わります。しかしそれらは個々の感覚的な要素が大きく、自分に合ったパターを見つけるのが難しいのも事実です。ピンパターは多種多様なタイプがラインナップされています。スコアアップに直結するクラブですので、実際に多くの種類を打ち比べ、自分の体格とフィーリングに合ったパターを見つけてください。