多くのゴルファーを悩ませる腰痛。腰痛になるとゴルフができずに休むことになります。せっかく上手くなってきたと思っていたのに腰痛が原因でゴルフを引退するなんて話も聞いたりもします。アマチュアより球数を多く打っているプロゴルファーはなぜ腰痛にならないのでしょうか?もしくはなっているとしてどのようなことを注意しているのでしょうか?今回は腰痛に悩まなくなるように腰痛になる原因のスイングや、なりにくい動きを紹介していきます。この記事を読めば腰痛で悩むことがなくなると思いますよ。
ゴルフで腰痛になる原因
多くのゴルファーを悩ませる腰痛。長年ゴルフをやっていれば1度は腰痛になったことがあるのではないでしょうか?腰痛になるとゴルフはおろか日常生活まで支障をきたす場合もあり非常に厄介な怪我です。正しいスイングをしていれば腰痛になることはほとんどありません。それでは何故腰痛になるのでしょうか?腰痛になる原因は大きく分けて3つあります。
1.体が硬い
2.体が温まってない
3.スイングが悪い
この3つです。1つずつ説明していきます。
1.体が硬い
体が硬い人は柔らかい人に比べると腰痛になりやすく、お年寄りが腰痛に悩むのも体が硬いのが原因の場合がほとんどです。人間である以上何もしていないと年齢を重ねるごとに体が硬くなるのは仕方ありません。しかし日頃からストレッチなどをして柔軟性を高めておくことで腰痛のリスクを下げることができます。特に腰痛になる人は股関節周りと太股の裏の筋肉の柔軟性が低いことが多いようです。この周辺のストレッチをするのが腰痛予防に効果的です。
2.体が温まってない
体が温まっていないうちに運動をするのも腰痛になる原因です。小学校の運動会でアキレス腱を切っている親御さんが1人くらいはいたかと思います。あれは普段運動もしていなくて、更に体が温まっていないのにいきなり速く走ろうとするためです。温まっていないのに無理に体を動かすと伸びた場所を痛めます。ゴルフに限らずスポーツをする前には十分なストレッチをして体を温めておくことが重要です。
特にゴルフ前のストレッチは体を伸ばすストレッチよりも体を動かしながら行うストレッチが有効です。体を動かしながら行うストレッチとは、軽く反動を付けながら行う動的ストレッチのことです。例えばその場で軽く小刻みにジャンプしてアキレス腱を伸ばしたり肩をグルグル回したりするストレッチです。このような動的ストレッチを行うことで体を温めながら体をほぐすことができるのでスタート前のストレッチとして有効です。ラウンド後は疲れを残さないためにも静的ストレッチが有効です。静的ストレッチとは反動をつけずにゆっくりと行うストレッチのことです。前屈をしてハムストリングを伸ばしたり手で首を片方に倒してストレッチをする感じでゆっくりと伸ばしていくストレッチが静的ストレッチです。体を温めるためにお風呂に入ってからスタートをするのも有効です。ラウンド中もできるのであれば歩いてプレーした方が体が温まると思います。
3.スイングが悪い
正しいスイングであれば腰痛にはなりにくいのですが、間違ったスイングをすると腰痛になります。腰痛になりやすいスイングの特徴を紹介します。
腰痛になりやすいスイングの特徴
腰痛になりやすいスイングは腰を間違った方向に捻る動きです。まず大切なのはアドレス。正しいアドレスは骨盤が正しく前傾しますが腰痛になりやすいアドレスは骨盤の前傾が足りなかったり無理に腰を張ったアドレスです。このようなアドレスでスイングをすると腰が間違った方向に捻られて腰痛になるので、正しいアドレスにすることが腰痛予防になります。
正しいアドレスとは股関節から自然に前傾したアドレスです。この姿勢をとれるようになれば立った時と同じような感覚でスイングをすることができます。腰痛になりやすいスイングは腕だけで振るスイングです。腕だけでスイングをするとダウンスイングで腰を腕とクラブが追い越して、その時に体が捻られて腰を痛めます。
体重移動を必要以上にするスイングも腰痛になりやすいです。バックスイングで右に移動してダウンスイングで左に移動すると体の回転が止まりやすくフォローからフィニッシュで逆Cの形となり腰に負担を与えます。パーシモンの時代からゴルフをやって来た人の中には逆Cのフィニッシュが正しいと考えている人もいるかもしれません。パーシモンの時代はスピン量を抑えるために逆Cのフォローからフィニッシュにすることでハイドローで飛ばす選手が多かったのですが、現在のスイングは違います。道具が進化したことでスイングも変わってきているのです。正しいスイングをすれば腰への負担を減らすことができるので正しいスイングを覚えましょう。
腰に負担のかからないスイング法
腰に悪い動きが分かったところで、次は腰に負担のかからないスイングをお伝えしていきます。腰への負担を減らすには腰の捻りを減らすことです。まずはアドレス。真っすぐ立った状態から軽く足の付け根から前傾して膝を緩めます。前傾が深いと腰への負担が増えるので、腰が痛い人は浅めの前傾がおすすめです。膝を曲げすぎると背骨が丸まりスムーズな回転ができなくなるので注意して下さい。スタンス幅も重要です。スタンス幅が広いと下半身が止まり体の捻転が強くなり腰への負担が増えます。スタンス幅を狭くすると体の捻転が少なくなり、その場で回転するようなスイングになります。
腰に負担がかからないスイングとは捻転差を使わずに体重移動を抑えたスイングです。体を捻らず右を向いて左を向くスイングです。いわゆるドアスイングといわれるスイングです。体を1枚の板だと思ってセンター軸を保ち右を向いて左を向く感じです。腕は鞭のように使いたいので脱力して体の回転に付いてくるようにしましょう。よくトップで腕を伸ばした方が良いと思っている人がいます。体の柔軟性が高い人は伸ばした方が飛距離を出すことができますが、腕を伸ばすと広背筋が伸ばされるので腰が悪い人にはおすすめできません。腰に負担がかからないようにするためにはトップで左肘が軽く曲がる方が良いでしょう。
インパクトからフォローに関しては軸が傾かないように回転してクラブが自然にリリースされます。左右対称なスイングを意識することで軸が傾かずに回転することができます。軸が傾かない様にするにはダウンスイングで左足を徐々に伸ばしながら回転を止めないことがポイントです。左に踏み込む動きが強いとインパクトで腰が回らずに軸が右に倒れます。両腕の三角形を崩さないように意識するのではなくヘッドを自然にリリースするのが腰に負担のかからないスイングです。このことを考えるとグリップはスクエアグリップにするのがおすすめです。フィニッシュは左足の上に真っすぐ立ちクラブが首に巻きつくようにしましょう。
ゴルフの腰痛は治せるか
腰痛になった人はどうすれば治るのでしょうか?腰に違和感があれば安静にしておくのが良いと思います。医者に見てもらい指示に従いましょう。よく自分の判断でゴルフの練習をしている時は痛くないからと練習を続ける人がいます。腰が痛いのには何か原因があるはずです。ゴルフを頑張っているのであれば間違った動きをしているせいで腰痛になっていると思います。悪い動きが無くなれば腰痛も良くなるのですが一度、痛めたのであれば安静にして痛みが消えてから練習をすると良いでしょう。練習を再開してもいきなりフルスイングをせずに小さい振りで様子を見ましょう。小さい振りで違和感が出なければ徐々に大きくしていくと良いと思います。
ゴルフの腰痛予防法
腰痛の予防法を説明しておきます。日頃からストレッチをして柔軟性を高めておくのが1番の腰痛予防法です。特に股関節や太ももの裏の柔軟性が腰痛予防に効果があります。脇腹のストレッチも体を捻るゴルフには効果的です。ストレッチの方法はここで書くと長くなるので気になる人は調べてみましょう。
ストレッチと同様に腰痛予防でおすすめなのが左素振りです。左素振りとはその名の通り左打ちになったつもりで素振りをすることです。ゴルフは一方方向にしか振りません。目標方向にしか振らないのでいくら良いスイングだとしても体のバランスが崩れてきます。腰痛は無理な動作を行っても出ますが、体のバランスが崩れても出てきます。体のバランスを整えるために打ち始める前と打ち終わった後に左素振りをしましょう。もしできることであれば素振りだけでなく実際に左打ちで球を打つのもおすすめです。右打ちと同じ分だけ球を打つことができれば体のバランスは整うはずです。
筋肉のバランスが崩れると腰痛になりやすい
体のバランスが崩れると腰痛になりやすいとお伝えしましたが、これはスイングだけにいえることではありません。筋肉量のバランスも重要です。筋肉には表と裏があります。これを拮抗筋と呼びます。腰痛になる人は腹筋と脊柱起立筋のバランスが崩れていることが多く、その両方を鍛えることで腰痛がなくなる例は数多くあります。
まとめ
今回は腰痛予防についてお伝えしました。ゴルフは前傾をしながら回転をするため腰痛になりやすいスポーツです。正しい動きをしていてもそれなりに負荷はかかります。正しい動きをしていても負荷がかかるのですから不自然な動きをしていればもっと腰に負担はかかります。腰痛にならないためには普段からストレッチをして柔軟性を高めておくことが必要です。軽めの筋トレをしておくことも腰痛予防に効果的です。ゴルフをする前には体を温めて怪我をしない様にすることも忘れない様にしましょう。もし腰痛になってしまったら、自分で判断するのではなく専門的な知識をもった医者に見てもらうのが間違いありません。腰痛にならないように気をつけてゴルフをすれば長くゴルフを楽しむことができるので、今回お伝えしたことを試してみて下さい。