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ティーチングプロが教えるオーバースイングの見極め方、治す練習法

飛ばそうとすれば飛ばそうとする程オーバースイングになる人が多いと思います。オーバースイングは本当に直すべきなのでしょうか?良いオーバースイングと悪いオーバースイングの見極め方や直し方をお伝えします。

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トップでクラブが垂れるオーバースイング。多くのゴルファーの悩みの1つがオーバースイングです。飛ばそうとすればする程オーバースイングが酷くなる人も多いと思います。プロにもオーバースイングの人はいます。横峯さくらやジョンデーリーはオーバースイングですが狙った所にボールを飛ばしています。色々な人にオーバースイングは直した方が良いと言われますが、そもそもオーバースイングは悪い動きなのでしょうか?実は見た目が良くないだけでオーバースイングは悪くないのでは?こんな疑問を持ったことのある人もいると思います。今回はティーチングプロの筆者がオーバースイングについてお伝えします。

オーバースイングとは

オーバースイングとはバックスイングで大きく振りかぶりクラブヘッドが垂れたスイングのことです。正しくスイングした時と比べ余計な動きになりやすく安定感に欠けるので一般的には悪いスイングとされています。オーバースイングと言ってもトップで手首だけが曲がっている人や、左肘が曲がっている人、腰が回しすぎている人など様々です。

オーバースイングはいいの?悪いの?

プロでも横峯さくらやジョンデーリーのようにオーバースイングの人はいますが、そもそもオーバースイングは良いのでしょうか?それとも悪いのでしょうか?結論からお伝えするとオーバースイングにはメリットもありますが、基本的に悪い動きです。オーバースイングは余計な動きでなっていることがほとんどです。体の軸がずれていたり、トップで手首が曲がりすぎていたり、余計な動きをしている結果としてオーバースイングになっているから直した方が良いでしょう。

ですが、中には直さなくても良いと思われるオーバースイングもあります。直さなくても良いオーバースイングとは下半身がしっかりしていて軸がずれずに捻転した結果オーバースイングになっている場合です。この条件を満たすには下半身の力と上半身の柔軟性が必要です。特に体の柔らかい女性でこのようなオーバースイングになる傾向があります。このようなオーバースイングの場合どちらかというと直した方が良いのですが、長年そのようなスイングをしているのであれば直そうとするとリズムが崩れて安定しなくなる可能性もあるので慎重に判断した方が良いと思います。それでは何故オーバースイングを直した方が良いのかオーバースイングのメリットとデメリットを紹介していきます。

オーバースイングのメリット

基本的に直した方が良いオーバースイングですがメリットも存在します。一番のメリットは飛距離を出すのに有利なことです。オーバースイングにするとボールまでの距離が長くなりその分加速できます。ドラコン選手を見るとオーバースイングの選手が多いのはそのためです。体を目一杯捻じってから戻す方がスピードが出せるのが最大のメリットです。

オーバースイングにはもう一つメリットがあります。それは多少余計な動きをしても戻すときに修正する時間があるということです。そもそも余計な動きをするからオーバースイングになるのですが、スイングが大きい分正しいスイングをした時よりインパクトまで時間ができます。その間に悪い動きを修正することが可能です。

オーバースイングのデメリット

次にデメリットを紹介します。オーバースイングの一番のデメリットは安定感に欠けることです。オーバースイングになる原因は様々ですが、正しいスイングより余計な動きをするのでオーバースイングとなります。本来しなくても良い動きをしているのでその分だけミスの原因となります。手首が折れてオーバースイングになるであればフェースは開いているので開いたフェースを戻す動きが必要となります。軸がずれているのならそれを元の位置に戻す動きが必要になります。本来考えなくても良い動きまで考えなければならないのでゴルフスイングが複雑になってくるのはデメリットと言えるでしょう。

オーバースイングになっている人のほとんどは体の一部、もしくは複数の箇所が緩んでいます。例えば腰が回りすぎてオーバースイングになっているのであれば正しいスイングよりも捻転差は少なくなっているはずです。これは回りすぎからくる緩みによるものです。体が緩むと余計な動きをしているだけでなくパワーも失われます。

オーバースイングを直すことによってリズムが変わり悪ショットが出る可能性はあります。オーバースイングをしていても毎回安定したスイングをしているのであれば、直さない方が良い場合もあるので気を付けましょう。

オーバースイングの見極め方のポイント3つ

それではオーバースイングの見極め方を説明していきます。

1.トップでクラブが垂れている

トップでクラブが垂れているのであればオーバースイングです。

2.アドレスした時より右腰や右膝が右に流れている

正しいスイングでは下半身はどっしりして上体を捻って上げていきます。下半身がずれずに上半身が回るので体が捻じられ捻転差が作られます。この捻転差が大きければ大きいほど飛距離が出せると言われています。しかし下半身が右にずれると捻転差ができないばかりかダウンスイングでの右足を蹴る力が弱くなります。アドレスした時より右腰や右膝が右に流れている人はオーバースイングとなる可能性があるので気を付けましょう。

3.トップで左肩が上がり、左肘が大きく曲がっている

肩の動きを見ていきます。ゴルフは前傾した軸の回転運動です。トップの位置では左肩は上がってはいけません。コックが入り右肘が曲がるのでそれにつられて多少上がるのは良いのですが必要以上に上がるとお腹が伸ばされて正しく捻転できません。トップで左肩が顎についている人はお腹まで伸びていないかチェックしてください。

トップで左肘が大きく曲がっていませんか?飛ばそうとするあまり左腕が曲がるとオーバースイングになります。このような人は腕で振る意識が強すぎます。体との一体感を大切にしてスイングすると良いでしょう。

オーバースイングの原因と改善方法

オーバースイングの見極め方をお伝えしたところで原因と具体的な改善方法をお伝えします。

1.正しいアドレスができているか

下半身がどっしりせずにスウェイや腰の回転のしすぎ、お腹が伸び上がってオーバースイングになる人はアドレスが緩んでいる可能性が高いです。アドレスで骨盤を前傾させて踵を広げるようにして足に力を入れます。内股にするのではなく両足の踵を外側に広げる意識です。内股にすると骨盤が後傾して猫背になり正しい回転ができなくなるので気を付けてください。この態勢ができるとお腹が凹み力が入ります。スイング中お腹や足の力を抜かずにスイングすると骨盤がロックされてオーバースイングになりません。トップで左肩が上がってオーバースイングになる人もお腹が緩んでいます。正しいアドレスをしたら前傾角度を維持したままトップまで上げることが大切です。

2.コックが遅くないか

左肘が曲がってオーバースイングになる人はコックが遅い人が多いです。ノーコックで上げて最後に一気にコックを入れると左肘まで曲がってオーバースイングになります。このような人は体と腕を同調させながらコックもスタートと同時に行い左腕が地面と平行になる時にはコックを完了させましょう。

3.グリップに問題はないか

トップで手首が曲がりすぎてオーバースイングになる人はグリップを確認してください。極端なフックグリップになっていると手首が折れる原因となります。左手の親指と人指の間にできるV字は首と右肩の間を指していれば正しいグリップです。グリップが正しく握れているのに手首が曲がりすぎている場合スイングプレーンが間違っているはずです。

4.テークバックでインサイドに引きすぎていないか

テークバックでインサイドに引きすぎると右肘の行き場所がなくなりトップで右脇が開いたシャフトクロスになり手首が曲がりすぎます。このような人は左手一本でクラブを持って素振りを繰り返すと正しいトップを見つけられます。

 

オーバースイングを直すためのドリル

オーバースイングを直すドリルを紹介します。

トップで止まってから打つドリル

まず最もシンプルなのがトップで止まってから打つドリルです。これはトップで3秒位止まってから反動を付けずに打つことで正しいトップを覚えるドリルです。誰でも違和感なく行えるドリルなので、まずはこのドリルから始めてみましょう。

椅子に座って球を打つドリル

下半身が安定せずにオーバースイングになっている人におすすめなのが椅子に座って球を打つドリルです。椅子に座ったままボールを打つと下半身が正面を向いたままの状態となり上半身の捻じれだけで打つ感覚が身に付きます。

腕一本で打つドリル

左肘が曲がってオーバースイングになる人は左腕一本で打つドリルがおすすめです。左腕が曲がる人はコックが遅く最後に腕だけで上げる傾向があります。左腕一本だけで打つと腕だけだと辛いので体も回そうとするはずです。最初からフルスイングをせずに腰から腰のような小さい振りで体の同調を意識して行うと良いでしょう。

クロスハンドドリル

手首が曲がりすぎてオーバースイングになっている人はクロスハンドドリルがおすすめです。通常は左手が上、右手が下になるように握りますがクロスハンドはその逆です。右手が上、左手が下になるようにして握ります。この状態でスイングすると余計な手首の動きが抑えられます。クロスハンドドリルはスイング中、前傾角度が崩れるとボールの頭を叩いてトップします。手首の曲がりすぎを修正するのと同時にお腹の緩みもなくなるので最初は難しいと思いますが、おすすめのドリルです。

まとめ

今回はオーバースイングについてお伝えしました。飛ばしたいと思うあまり知らないうちになっていくオーバースイング。自分では正しいトップだと思っていたのに動画を撮ってみたらオーバースイングだった人も多いと思います。分かっていても自分で直そうとしてもなかなか直らないのもオーバースイングの特徴です。自分では小さなトップを作っているつもりでも動画で撮ると思った以上にクラブが上がっているのはよくあることです。オーバースイングを直したかったらドリルで直すのがおすすめです。オーバースイングを直してコンパクトなスイングができればショットが安定すると思いますよ。

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鈴木
鈴木

PGA(日本ゴルフ協会)ティーチングプロ。ゴルフ歴は30数年。小さいころからPGAティーチングプロである父の指導の元ゴルフの練習に励む。高校を卒業したのち神奈川県にあるゴルフ場の研修生として働く。25歳でPGA(日本ゴルフ協会)会員となりレッスン活動に励む。現在は某ゴルフスクールでレッスンしている。誰にでも分かりやすく楽しいレッスンを心がけています。

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