「球が捕まりすぎっちゃたよ~」ミスショットしたのにこんな感じで言われると、この人上級者だなと思う人は多いと思います。ゴルフをしているとよく聞く球の捕まり。なんとなく球が捕まらない人より球が捕まる人の方が上手い気がしますよね?しかし球が捕まりすぎてしまう人にも悩みはあります。今回は球の捕まりとは何なのか、どうすれば球が捕まるようになるのか。逆に球が捕まり過ぎてしまう人は何が原因なのか練習方法も合わせて紹介していきたいと思います。
ボールが「つかまる」とは?
まずゴルフで言う球がつかまるとはどのようなことでしょうか?球が捕まるとは右打ちのゴルファーの場合左に曲がるボールを打つことを言います。逆に球が捕まらないとは右に曲がるボールのことを言います。一般的に球が捕まらないとは思ったところより右に曲がるミスショットのことです。球が捕まったと言った時は普段捕まらない人が良いショットを打った時や、左に曲がりすぎた時に言います。球が捕まらないと言った時はミスショットですが、球が捕まったと言った時は必ずしもミスショットではありません。球が捕まりすぎたと言った時はミスショットです。ちょっと難しいですが気をつけましょう。
つかまらない原因
それでは、ボールがつかまらない主な原因を4つ解説します。
- ①フェースが開く
- ②クラブ軌道がアウトサイドイン
- ③ボールの位置
- ④道具が合ってない
一つずつ説明していきます。
①フェースが開く
ボールがつかまらないということは間違いなくインパクトでフェースが開いています。フェースがインパクトで開かなければボールはつかまるようになります。フェースが開く原因は色々あります。グリップが悪かったり、バックスイングで腕をロールさせて開いたり、ダウンスイングで体が開いて同時にフェースが開いたりするとボールがつかまらずに右に曲がっていきます。
②クラブ軌道がアウトサイドイン
ボールの曲がりはインパクトでのフェースの向きとクラブ軌道で決まります。球がつかまらない人の多くはアウトサイドインの軌道で打つため球が右に曲がります。アウトサイドインで振ると初めは左に出てそこから右に曲がるスライスボールとなります。インサイドアウトでもフェースが開けばボールはつかまらず右に出てから右に曲がるプッシュスライスになります。
③ボールの位置
ボールの位置も重要です。ボールの位置が正しい位置より体の右にあればフェースが戻る前に当たるので右に曲がりますし、左にあればフェースが被って当たるため左に曲がります。これだけを見ると捕まらない人は左に置けばいいと思うかもしれませんが左に置くと軸が左にずれて突っ込んだりアウトサイドインが強くなります。ボールの位置はドライバーで左踵内側、ウェッジで体の真ん中です。
ボールの位置は左右だけではありません。前後のボール位置も大切です。ボールが体から近いとダウンスイングで前傾角度が崩れてインパクトでは手元が浮くので球は捕まらなくなります。体からボールが遠いとフェースが返りやすいので球は捕まりますが、その分インパクトがゾーンではなく点となり真っすぐ飛ばすのが難しくなります。
ドライバーの場合は前後左右に加え高さも関係してきます。正しいティーアップの高さはクラブフェースからボールが3分の1出る高さです。ティーアップが低いと球の捕まりは悪くなります。ティーアップは高いほうが球の捕まりは良くなりますが、高くすると今度はフェースの上に当たり球が上がって飛ばないテンプラのミスになるので球の高さも適正が良いと思います。
④道具が合ってない
クラブによっても球の捕まりは変わります。球の捕まらない人はあっていないクラブ、特にオーバースペックのクラブを使っている場合があります。クラブの詳しいことは後で紹介しますが、ザックリ紹介するとアイアンであればヘッドの小さく薄いクラブは球は捕まりにくく、逆にヘッドの大きく厚みのあるクラブは捕まりやすくできています。ドライバーの場合も同様に小さいヘッドのクラブは捕まりにくく大きなヘッドのクラブは捕まりやすく出来ています。それに加えてヘッドが薄く後方の面積が大きく見えるクラブは重心深度が深くなるので捕まりやすい特徴があります。アイアンではあまり見られない特徴としてフックフェースのドライバーというのもあります。これはクラブを構えた時に既にフェースが左を向いているので球が捕まらなくて悩んでいるゴルファーに最適のクラブと言えるでしょう。
つかまらない人の練習法
コースでボールがつかまらない時はバックスイングで体の捻りを意識してゆっくり振ることをおすすめします。コースでスイングテンポが速くなればなるほどボールはつかまらずに右に飛んでいくからです。
ボールがつかまらない人は普段の練習でフックを打つ様に練習しましょう。フックを打つためにはインパクトでフェースが右を向いていては打てません。つかまらない1番の原因であるフェースが開く動作を無くしてフェースが左を向いてインパクトする様に練習するのです、この時クラブの軌道がアウトサイドインだと左に引っかけるだけなので、しっかりと打ち出しを右に出せるように練習すれば、だんだんつかまるようになってきます。
ボールが「つかまりすぎる」とは?
上級者は「ボールがつかまりすぎるから左に行かないクラブが欲しい」なんて言ったりもします。ボールがつかまりすぎるとはどのようなことを言うのでしょう?結論から言うとボールが捕まりすぎるとは、思っているよりも左に曲がることを言います。
つかまりすぎる原因
主に捕まりすぎる原因は主に4つです。
- ①フェースが閉じる
- ②体が止まる
- ③クラブが寝て下から入る
- ④道具が合っていない
一つずつ説明していきます。
①フェースが閉じる
球が捕まりすぎるということは間違いなくインパクトでフェースが閉じています。フェースがインパクトで閉じなければ球は左には行きません。フェースが閉じる原因は色々あります。フックグリップが強かったり、バックスイングで左手の甲が手も平側に折れていたり(ヒンジング)ダウンスイングで腕を返しすぎていたりすると球が捕まりすぎます。
②体が止まる
球が捕まりすぎる時はインパクトでフェースが左を向いた時です。その原因の一つとしてあげられるのが体の回転が止まることです。体が止まることにより腕が振られ結果としてフェースが返り球が思ったより左に曲がるのです。体が止まる人はボールに当てる意識が強く力めば力むほどボールはフックしていくので注意しましょう。
③クラブが寝て下から入る
球が捕まりすぎる人は捕まらない人に比べてダウンスイングでクラブが寝て下から入る傾向があります。クラブが寝ると普通はフェースが開いて右に飛ぶのですが、中級者、上級者になると本能的に腕を返してフェースを戻します。クラブが寝ることでクラブの軌道が極端なインサイドアウトになり、その状態でフェースが左を向いてインパクトすると極端なフックになります。ドライバーでチーピンをする人や、フェアウェイウッドが苦手な人はクラブが寝て下から入っている可能性が高いと言えます。
④道具が合っていない
先ほどもお伝えしたように、クラブによって捕まりの良いクラブ、捕まりづらいクラブがあります。捕まりすぎる人で多いのは、シャフトが軽かったり、柔らかかったりする場合です。軽かったり、柔らかいクラブだとタイミングがずれて捕まりすぎることがよくおこります。
つかまりすぎる人の練習法
コースで捕まりすぎる場合捕まる度合いによりますが、ある程度コントロールできそうであれば打ち出し方向を調整してスイングはあまりいじらない方が良いでしょう。コースで動きを直そうと思って直る人はなかなかいません。捕まりすぎるのであれば捕まる分だけスタンスを右に向け捕まることを前提に攻めましょう。あまりにも酷い曲がりの場合は体が止まって腕だけでフェースを返しているのでしっかりと体を回すことを意識しましょう。
捕まりすぎる人におすすめの練習方法は「直ドラ」です。直ドラとはティーアップ無しでドライバーを打つことです。直ドラの練習をするとクラブが寝る動作が無くなります。そしてフェースが左を向くと球が上がりません。正しいインパクトで自然とフェースのターンも抑えることができるからです。
シャフトの調整、フィッティング
いくらスイングが良くても自分に合っていないクラブを使うとつかまりづらかったり、反対につかまりすぎたりします。1番良いのはしっかりした所で(メーカーなど)データをとりながらクラブフィッティングをすることです。ヘッドはもちろんですが特にシャフトは大切です。ヘッドスピードや打ち方にあったシャフトを使う事で正しく飛んでいきます。一般的にヘッドスピードがあまり速くない人は柔らか目でトルクの多いシャフトだとつかまりやすくなり、逆にヘッドスピードが速い人は硬くトルクの少ないシャフトが合っていることが多い傾向があります。シャフトは硬さや重さの他にキックポイントがあります。一般的にダウンスイングでタメを作れる人は手元調子のシャフトが良く、反対にタメを作れない人は先調子のシャフトが良いと言われています。ただ、同じ手元調子や先調子だとしても、シャフトにより感覚がかなり変わってくるので、実際に打ってみなければわかないことばかりです。
シャフトはヘッドとのバランスや、つかまらないクラブの方がいいのか、反対につかまるクラブの方が良いのかなど、自分の感覚の問題もあるので興味のある人は色々なクラブを打ち比べて、自分がどの様なクラブが好みなのか知っておくと良いと思います。
まとめ
今回はボールがつかまらない原因と練習法、つかまりすぎる原因と練習法についてお伝えしました。ボールを思い通りにコントロールするには正しい体の使い方とクラブの使い方が大切です。自分がどのようなタイプなのか見極めて今回お伝えしたドリルを練習して、思い通りの球が打てるようにしていきましょう。